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「今期、一番伸びた海外組はどっちの酒井?」ドイツ・ブンデスリーガ第33節 ハンブルガーSV-ヴォルフスブルク

最終節を残して、どちらも欧州戦や残留争いから無縁な順位がほぼ決まってしまったとあって、どちらもミスが多くて決定力も低い雑な試合になってしまった。

試合経過としては、ホームのHSVが終始攻めながらも得点できず、ヴォルフスブルクが後半28分にCKからシェーファーがヘディングしたボールを、飛び込んだグスタヴォがコースを変えてゴールを決め、後は難なくヴォルフスブルクが守り切って1-0で終了した。

そんな試合だったので、主に酒井高徳のプレイばかりを見ていたのだが、もしかすると今期の欧州組で一番伸びた選手は、実は彼なんじゃないかと思っていたりする。

以前の高徳ならば、ポジショニングがハチャメチャで、相手に突っ込んであっさり交わされたかと思ったら、間合いを開けすぎて簡単に前を向かれてしまったり、試合中に致命的なミスを、それも複数回やらかしてしまったりして、それが故に昨シーズン終盤からすっかりベンチ暮らしになっていた。

しかし今期はチームメイトの怪我によって12節のダルムシュタット戦で先発の座をつかみ取ると、そこからは途中2試合を除いて先発出場と、すっかりチームのレギュラーとして定着してしまった。

この試合も1度危険なミスはあったけど、ちゃんと周りを見てゾーンの位置を整えているし、ゾーンからマークに行くタイミングも適切で1対1でぶち抜かれる事が少なく、すっかり安定した守備が出来ている。まあ、まだ2対1には上手く対処できず、酒井がマークしている選手をさらにオーバーラップして来た時に、受け渡しをせずにそのままスルーしてしまっていたりするが、まあ全体的には及第点だろう。

もともと攻撃面は良いものを持っているが、思い切りの良いオーバーラップだけではなく、最近は外側じゃなくて内側に切れ込みながらオーバーラップしてPA内の中にまで進入するプレイを見せるようになって、より相手にとって怖いSBになっているなと思う。これで適切なタイミングでクロスやパスを出せる判断力がプラスされれば、今後のステップアップも夢ではないように思う。

内田の復帰がまだ計算出来ない現在、アジア最終予選を考慮しても酒井高徳の成長は大きい。酒井宏樹のほうは相変わらず三歩進んで二歩下がる状態で、チームが降格して1部への移籍を希望しているようだが、今期のプレイでは果たして声はかかるのかどうか・・・そっちは非常に心配である。

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