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「かつてのナショナルダービーとしてのプライドを感じた好試合」J1 1stステージ第11節 ジュビロ磐田-鹿島アントラーズ

昨年はJ2にまで落ちてしまったが、磐田と鹿島と言えば1996年から7年間連続でJ1優勝を分け合ったナショナルダービーと呼ばれたカード。その懐かしさと、今度は胸を借りる形になった磐田がどういう試合をするのかと思って試合を見てみた。

フォーメーションは、鹿島が伝統の4-2-2-2なのに対して磐田は3-4-2-1の3バック。磐田は5バック気味にして守備的に来るのかと思ったら、序盤は本当に3バックでサイドを高く上げて来た。が、やはりチーム力の差からして無謀だったのか鹿島にどんどん3バックの横のスペースにボールを送り込まれ、右SHのカイオが何度も惜しいチャンスを作り出すが、磐田GKカミンスキーの奮闘と鹿島の決定力不足に助けられて得点まで至らず。

ただ、鹿島の攻撃があまり中央を使わずサイドに偏っていたのと、さすがに磐田もWBを下げて5バック気味にした事で試合は落ち着き、37分には太田のクロスをアダイウトンが強烈なヘディング、ボールがクロスバーに弾かれる惜しいチャンスを磐田が作ると、42分には右のCKからカイオが頭で反らせたボールに金崎がファーで合わせるもののボールはゴールポストをわずかに外れ、互いに決定機を作るが前半はスコアレスで折り返す。

後半はまず10分に鹿島が金崎とカイオの流れるようなコンビネーションから先制するものの、わずか1分後に柴崎のクリアミスを拾った小林がダイレクトで叩き込んで磐田が同点に追いつく。さらに60分過ぎに鹿島は昌司のバックパスがシュート性のボールになってバーに当たるというあわやオウンゴールという場面を作ってしまう。

鹿島は土居、永木と投入するが磐田をなかなか攻めきれず、逆に磐田が鹿島のSBが上がったスペースを使ってカウンターで脅かす展開に。しかし後半は磐田が鹿島を上回る8本のシュートを放つものの得点には至らず。復活した古豪同士の”ナショナルダービー”はいかにもダービーらしい1-1のドローで終了した。

磐田は前節の神戸戦で大敗したのでこの試合は厳しくなるかと思ったが、やはり鹿島相手だと違うのか選手に気迫が感じられ、前半も鹿島に大量のチャンスを作られたが守備陣が体を張って守り、後半は中盤が鹿島を上回る出来を見せたのは自信に繋がるだろう。鹿島はサイドを狙うのは良いがそこからの攻めに工夫がなく、もっと柴崎や小笠原が絡んで厚い二次攻撃を仕掛けられれば良かったのだが、全体的に淡白な攻めになってしまった。

あと、この試合は主審のジャッジが良かったね。一度、ファールを流すべき場面で止めてしまった事はあったが、それ以外はボディコンタクトに笛を吹きすぎる事もなく、スピーディな試合作りを上手くアシストしていた。Jリーグも、こういう試合がもっと増えるといいんだけどね。

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