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「レスター・シティのメンバーでバイエルンを作ろうと言う矛盾」ACL グループE ビンズオン-FC東京

前節で全北現代に0-3と惨敗し、公式戦でも5試合勝ち無しと調子が出ていないFC東京。

グループ突破には勝ちが必要な最終節は、既に敗退が決まっているビンズオンとは言え、気温35度の灼熱地獄で非常に苦しい試合になった。

試合は序盤から互いに攻め合ってチャンスを作る展開で始まるが、先手を取ったのはFC東京で、前半21分に水沼のボールキープから橋本拳人がオーバーラップすると、スルーパスを橋本が上手く折り返してフリーで飛び込んだ前田が頭で決めて先制する。

その後はしばらく東京がボールを保持する時間帯になるものの、35分を過ぎるといきなり足が止まって相手の波状攻撃を浴び、前半終了間際にレ・コン・ビンに強烈なミドルを食らうがボールは運良くポストに当たって外れてくれた。

すると後半10分に、相手のミスパスを拾った前田がそのままドリブルで持ち込んでシュートを叩き込み、東京がラッキーな形で2点目をゲットする。ここで城福監督が動き、バーンズに代えて田邊、ハ・デソンに代えて米本を投入するが、この采配が裏目に出てしまう。

後半23分に、米本が前へプレスをかけて動いたスペースにパスを通され、慌てて森重がカバーに行くも、今度はその裏のスペースを丸山がカバーしておらず、そのままアムグにドリブルで持ち込まれ、丸山がPA内で後ろからタックルをしてしまってPK。これをレ・コン・ビンに決められて1点差に追いつかれる。

東京は、終盤にもレ・コン・ビンにクロスバーに当たるミドルシュートを打たれるなどビンズオンの猛攻を食らってアップアップ状態になり、コーナー付近の時間稼ぎに失敗してカウンターを食らうなど危ない場面を作ってしまうが何とか逃げ切り、裏の全北と江蘇の試合が引き分けに終わったため、グループ2位の通過が決定した。

この勝利のポイントになったのは、城福体制ではこれまでほとんど出番が無かった高橋のボランチ起用だろう。失点の場面を見ても分かる通り、米本が人に食いついてバイタルを空けてしまいがちなのに対し、高橋はバイタルでどっしり構えて守備のバランスを整える事が出来ていた。これでも自分のアクションサッカーには不要と城福監督に判断されているのだとしたら不憫にも程がある。

そもそも、アクションサッカー(笑)には正確なクロスを上げられるウインガーが不可欠なのだが、東京にはそういう選手は見当たらないし、前線の選手は前田、バーンズ、水沼、東と泥臭く頑張る選手だらけである。つまり面子は明らかにレスターなのに、やろうとしているサッカーがバイエルンなのだからミスマッチも良いところである。

いい加減、夢を見るのは諦めて甲府時代のように現実路線に切り替える事が出来るなら、今期のFC東京に未来は見えてくるんだろうけどねえ・・・この試合で城福監督が目覚めてくれれば良いのだが。

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