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「あまりに進化し過ぎてしまった”中村俊輔システム”」J1 1stステージ第9節 横浜Fマリノス-湘南ベルマーレ

昨日の早朝にレスターの試合を見てしまったせいで、昨日は睡眠不足で案の定寝落ち。なので、一昨日の夜に見ていた横浜Fマリノスと湘南の試合についてレポート。

昨シーズンの快進撃から打って変わって今期はまだ未勝利と低迷が続いている湘南ベルマーレ。その原因は試合が始まるとすぐに分かってしまった。

まずDFラインが低い割に、前線からプレスをかけているので中盤にポッカリとスペースが空いてしまい、横浜の富樫が前に走り込んでポストをすると、中村俊輔がフリーで前を向いてプレイが出来るので、そこからいかようにでも攻撃の展開が出来てしまっていた。

その序盤に横浜が先制点を挙げていれば結果は変わっていたのだろうが、何故か横浜のペースはあまり長く続かず、前半終わりごろにあった中村がPA内で溜めてからのスルーパスも、そのまま流れてゴールポストに当たって得点にならず。

そして後半になると試合は徐々に湘南のほうへと流れが傾き始める。それは湘南が前半よりもラインを上げ、同時に攻撃の選手も無理に高い位置からプレスをかけず、横浜が自陣でボールを持っている時はゾーンを作って待つ形になり、守備がコンパクトになったという理由が1つ。もう1つは、それによって横浜の戦術的な欠陥が顕になってしまった事にある。

横浜の戦術はいわゆる「中村俊輔システム」。中村がピッチのあちこちに顔を出してボールに触り、他の選手は中村が動いたスペースを補間してサポートするのが特徴なのだが、この試合ではボランチの中町と喜田が中村の位置に関係なくフリーダムに動いてしまっていた。

後半3分に湘南が先制した場面でも、喜田が湘南の2列目の飛び出しにマークで付いて行き、中町は前にプレスに出て行ったため、ボランチがいるはずのスペースに誰もおらず、そこを使われてフリーで高山へスルーパスを出されてしまった。

後半11分に喜田に代わって兵藤が入ってからは少しマシになったが、それでも中町はトップ下かというぐらいに相変わらず行方不明で、中村俊輔や遠藤がスペースを埋めている始末。

終盤は横浜がようやくサイドから攻めるという目的をはっきりさせて、引いて守る湘南に対して攻撃で圧倒するものの、後半23分に斎藤が放ったシュートがパウリーニョの手に当ってPK。しかしPKは何故か中村ではなく途中出場のカイケが蹴り、甘いコースを湘南GK村山に止められ同点ならず。

その後も横浜は湘南にクロスの雨を降らせるが、湘南は最後まで守備の集中力が落ちず、ロスタイムに中村のアーリークロスを斎藤が合わせるがボールは村山の腕に収まり、試合は1-0のまま湘南が今シーズン初勝利を挙げた。

湘南は、昨シーズンのドルトムントと同じで戦術の狙いははっきりしてるが歯車が噛み合ってない状態だったので、この試合が良い方向に向かうきっかけになるかもしれないが、横浜は根本的な部分に問題があるのでどうすんだろうねえ。ドルトムントでの香川のように、中村があまり下がらずトップ下固定にできればいいんだろうが・・・はてさて。

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