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「本来の”ラニエリ定食”復活でラストスパート」イングランド・プレミアリーグ第33節 サンダーランド -レスター・シティ

勝ち点7差をキープしたまま、とうとう残り6試合まで突入したレスター・シティ。最後の3試合がマンU、エバートン、チェルシーという上位との対決だけに、そこまでで勝ち点を落としてしまうと優勝に黄信号が灯りかねないだけに、ここからの3試合が非常に重要かつ難しい試合となる。

そのサンダーランド戦だが、やはり相手も現在18位とプレミアリーグ残留をかけて必死のチームであり、レスターにとっては予想通りに厳しい展開になった。

サンダーランドのフォーメーションは4-1-4-1で、とにかくボールを持ったらロングボールを1トップのデフォーに飛ばし、その間にラインを高く押し上げてセカンドボールを拾うという、いかにもサム・アラダイス監督らしい古き良きキック&ラッシュサッカーを展開、これに前半のレスターはタジタジになってしまった。

しかもただ蹴って走るだけじゃなくて戦術的にも工夫されており、サンダーランドはレスターの強力なカウンター攻撃を防ぐために、エムヴィラ、キルヒホフ、カッターモールの中盤3人のプレスが早く、そこにボリーニが右サイドからバイタルに切れこむ攻撃は下位とは思えないほど迫力があり、レスターはボールを奪ってもなかなか岡崎やヴァーディまでボールを運ぶことが出来ず、前線とのパイプが寸断されてしまう。

それでも25分には岡崎がサイドを抜け出し、相手のキックをPA内で受けて倒れるがPKにはならず。逆にレスターのフートがまたもPA内でボールを手に当ててしまうが、肘をたたんでいたので笛は鳴らず、そのままどちらにも得点は入らず前半を終了する。

後半に入ってもサンダーランドのペースは続き、後半2分、6分と立て続けにボリーニがPA付近からシュートを打つチャンスがあったものの枠には飛ばずレスターは命拾い。そしてルーチン通りに17分に岡崎とウジョアが交代。このあたりから、徐々にサンダーランドのスピードが落ちて来てレスターが中盤でボールを持てるようになる。

そして21分に伝家の宝刀が炸裂、右サイドでしつこくボールを追い回したカンテがボールを奪うと、中盤でドリンクウォーターが相手のマークを受けながらもボールをキープ、そこから前線に飛び出したヴァーディにロングパスが渡り、ヴァーディはGKの飛び出しを見て落ち着いたシュートをファーサイドに決めてレスターがワンチャンスで先制する。

当然、サンダーランドも反撃に出て、後半37分にはパスがレスターの選手の足に当たって、ゴール前でフリーになっていたロドウェルの前にボールが転がる超決定機が訪れるが、これをロドウェルが上に吹かしてしまうというあり得ないシュートミスをやらかして同点ならず。ここまで来るとレスターの強運には何かが憑いているとしか思えない。

後半のロスタイムは5分と長かったが、その5分が過ぎようと言うところで、パワープレイでCBのカブールが上がっていたサンダーランのドロングボールを拾うと、交代で入っていたグレイが前方にロングパス、これをヴァーディが相手と競り合いながら抜け出し、最後はGKマンノーネの飛び出しも余裕で交わしてダメ押しゴールで試合終了。

公式なMVPは間違いなく2得点のヴァーディだろうが、この苦しい試合に勝てたのはカンテがピッチのあらゆる場所に顔を出してサンダーランドのセカンドボールを有利な形で運ばせなかった貢献が極めて大きい。岡崎とカンテが守ってヴァーディが決める、ラニエリ定食がここに来て復活したのはレスターにとって大きい。

これでレスターは5連勝で首位をガッチリ守ると同時に、リーグ4位以内を確定して来期のチャンピオンズリーグ出場権を手にした。ただ、裏のスパーズ対マンUがスパーズが3-0と快勝したために勝ち点7差は変わらず。まだ優勝が簡単でない状況である事には変わらないが、このまま勢いに乗って下位との2試合をしっかり勝ちきりたい。

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