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「ミスをする度にお金の音が聞こえる試合」欧州CL準々決勝 パリ・サンジェルマン-マンチェスター・シティ

オーナーの資金力では世界No.1、No.2同士の対戦と呼べるビッグクラブ同士の対戦だが、シティは初めてのチャンピオンズリーグベスト8であり、PSGは3年連続でベスト8止まりという事もあってか、どちらも血に足がついてないというか、互いにミスが多い雑な試合になってしまった。

PSGのフォーメーションはいつもの4-3-3で、シティは形的には4-2-3-1だが、守備時は完全に4-4-2の3ラインでコンパクトなゾーンを低めの位置に作ってカウンター狙い。

しかしシティの狙いはあまりうまく行かず、1トップのイブラヒモビッチが自由に動いて、カバーニとディマリアのウイングがそれを埋めるように流動的に動く攻撃に守備の狙い所が定まらず、バイタルで繋がれてSBが攻撃参加するワイドなPSGの攻めに対応が後手後手に回ってしまう。

しかしPSGはその良い時間帯にチャンスをモノに出来ない。前半12分にダビド・ルイスが足を引っ掛けられてPKを獲得したのにイブラヒモビッチのPKはシティGKハートにセーブされ、その直後にはイブラヒモビッチがどフリーのヘッドをGK正面に打ってしまう。さらにシティのパスミスからイブラヒモビッチが完全に抜けだしてGKと1対1になった場面も外してしまい、3回もの超決定機を決められない。

すると38分に今度は守備でミスを犯し、マチュイディのパスミスから最後は右サイドに走りこんだデ・ブライネに渡り、思い切って打ったシュートがPSGのGKトラップの脇を抜けて終始劣勢だったシティが先制する。

しかしその3分後、シティはGKハートが手前にいたフェルナンジーニョに何でもないパスを送ると、フェルナンジーニョも何となくボールをサイドに送ろうとしたその時、後ろから足を出したイブラヒモビッチにボールが当たり、そのままゴールへ転がって同点と、シティも仲良くミスでお付き合い。

良く高額のサラリーをもらっているスター選手が、出場時間単位でいくらとか、得点1個でいくらとかの計算がメディアに載ったりするけど、失点につながるミスがいったい1ついくらになるのかも計算して欲しいよね(笑)。

さてその後は互いに無理なドリブルを仕掛けてはボールを取られる殴り合いのような展開になってしまったが、ハーフタイムを挟むと冷静になったのかPSGは落ち着いてボールを大きく展開する組み立てをするようになり、ようやく試合が落ち着き始める。そして後半14分に左CKからカバーニがヘッドで流すと、GKハートがかろうじて弾いたボールをラビオが押し込んでPSGが再びリード。

ところが、やはりPSGはまたもミスに祟られ、右サイドを突破したサニャのグラウンダーにオーリエが足を伸ばしたのは良いが、それがチアゴ・シウバに当たってフェルナンジーニョの前に転がり、汚名返上の同点ゴールをシティに決められてしまう。

勝ち越したいPSGは、そこからファンデルウイール、ルーカスと2枚の選手を投入するが攻撃のチグハグ感は増すばかりでチャンスが作れず、互いにシュートを1本放っただけで試合終了。シティがアウェイゴールで2点を挙げて同点のままホームでの第2レグに臨める有利な立場に立った。

とは言え、この試合はPSGの自滅に助けられはしたが、マンガラとオタメンディのCBコンビはCLという舞台ではどうにも頼りなく、ビルドアップ能力もPSGに比べると明らかに弱い。第2レグでは守っても守り切れる公算は低く、どういう形で試合に入るかが意外と難しそうな気がする。PSGは、地力では優っているのだから、ホームでの硬さを忘れて開き直るしか無いだろうね。

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