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「ドルトムントでの”定位置”、インサイドハーフで香川は信頼を得られたのか」ドイツ・ブンデスリーガ第28節 ボルシア・ドルトムント-ブレーメン

インターナショナル・マッチウィーク開けとあって、時差移動を挟んだ香川がドルトムントの先発から外れたブレーメン戦は、ドルトムントが後半に先制するもそこから5分間で逆転を食らってしまい、再びドルトムントが5分で再逆転するという、ジェットコースターのような終盤になってしまった。

ドルトムントのフォーメーションは4-3-3で、前線がロイス、オーバメヤン、ムヒタリアンといういつもの並びだったが、中盤はカストロ、ヴァイグル、ドゥルムという並びになっていた。対するブレーメンは5-3-2という守備的な布陣で、先日のレスター戦もそうだったが今のヨーロッパではスピードのある前線を持ったチームに対して3バックにするという形が流行しているようである。

ブレーメンは、FWの2人がギンターとベンダーの両CBをケアして、中盤の3枚がドルトムントの中盤、5バックがドルトムントの3トップという風に、かなりマンマーク寄りの戦術にしていた。このマッチアップだとドルトムントのSBがフリーになるのだが、あえてブレーメンは中央を固めてある程度サイドを捨てる戦略だったのだろう。

確かにその狙いはある程度当たった。ドルトムントはサイドを中心にボールを支配してほぼブレーメン陣内で試合を進めるものの、シュートはエリア外からのものが多く、それでも何とかドゥルムが中へ切れこむ動きでボールを引き出して決定的なチャンスを作るものの、シュートはセーブされるか枠に飛ばずで得点ならず。

しかし守備に走り回るだけのブレーメンも徐々に疲れが見え始め、後半になると2トップがCBにプレッシャーをかけられなくなって試合は完全なハーフコートゲームになってしまい、とうとう後半8分に相手の体に当たったボールを拾ったドルトムントのショートカウンターが炸裂、最後はオーバメヤンがスピードでマークを振り切り、落ち着いたループシュートを決めてドルトムントが先制する。

その後は仕方なく前に出て来たブレーメンに対して、ドルトムントは水を得た魚のようにバイタルを使って自由に攻撃を仕掛けるようになり、追加点は時間の問題かなと思ったのだが、後半24分にそこまで全くチャンスが無かったブレーメンに、シュートがカストロの足に当たってオウンゴールとなる幸運が転がり込む。そして5分後には、ベンダーの明らかにファールだったスライディングタックルが流され、エアポケットのようにユヌゾヴィッチが折り返しを決めてブレーメンが逆転してしまう。

しかしチームの絶対的なピンチを救ったのは、2失点目の直前に投入された香川だった。失点の3分後に、カストロから左をオーバーラップしたシュメルツァーに縦パスが通り、グラウンダーのクロスを中へ飛び込んだ香川が落ち着いて決めて同点、5分後にはCKから同じく途中出場のラモスがCKからヘディングを決めてドルトムントが劇的な再逆転、試合はそのまま3-2で終了した。

これまで後半戦は必ず4-2-3-1のトップ下に限られた起用だった香川は、下がったドゥルムの代わりにそのまま右のインサイドハーフとしてプレイし、後半35分にロイスとシュメルツァーが下がり、ラモスとプリシッチが入ると3-1-4-2のフォーメーションで引き続きインサイドハーフとしてプレイしていた。得点するしか無い状況や、相手がベタ引き状態というのもあったが、あまり後ろに下がらず高い位置をキープしてゲームメイク、チャンスメイクに絡んでいた。これなら、今後もインサイドハーフでの起用はあるんじゃなかろうか。

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