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「元祖・俊輔システムと、新・宇佐美システムのミラーゲーム」J1 1stステージ第5節 ガンバ大阪-横浜Fマリノス

素晴らしい新スタジアムが完成したのに、ここまでリーグ戦は2勝、ACLは勝ち無しとなかなか調子が出て来ないガンバ大阪と、カイケ、マルティノスという最近獲得した新外国人を早速スタメンに入れて来た横浜Fマリノスの対戦。

どちらもフォーメーションは4-2-3-1で、守備時はしっかりブロックを作って相手の攻撃を受け止め、攻撃ではパスを素早く繋いで攻めるという良く似たサッカーをするチーム同士。

しかしゾーン・ディフェンスに対してはショートパス攻撃は分が悪く、どちらもゾーンの間でワンタッチパスが引っかかっては相手にボールを渡すというJリーグらしいパチンコのような展開で推移。

低めのゾーン・ディフェンス相手にはやはりミドルシュートかサイドチェンジが効くもので、前半19分にガンバは宇佐美の大きなサイドチェンジを右サイドに流れたパトリックが高さで勝って折り返し、中央に入ったアデミウソンが合わせてガンバが先制する。

これでガンバは宇佐美のゲームメイクに味を占めてしまったのか、そこからの宇佐美は相手のマークが激しくて、スピードがあるマルティノスのカバーに戻らざるを得ない左サイドのポジションから離れてしまい、ピッチの中盤を自由に漂ってはボールに触るという、まるでFマリノスにおける中村俊輔のようなプレイをし始める。

それに中村が怒ったというわけでは無いだろうが、前半40分にゴールやや右側で横浜がFKのチャンスを得ると、これを中村が東口にとってはノーチャンスだった完璧なFKを直接叩き込み、先輩の貫禄を見せて横浜が同点に追いついて前半を終了する。

同点で勢いが出たのか、前半は劣勢だった横浜が後半はリズムを作れるようになる。横浜が最初から中村システムを軸にチームを作り上げているのに対し、ガンバの場合は宇佐美が下がってしまうと前線でボールを受けたり飛び出したりする選手が足りなくなってしまう。

もし遠藤が好調なら宇佐美と役割を入れ替える事も可能だったのかもしれないが、今の彼では宇佐美と被って存在感が薄くなってしまい、本来もっとボールを受けるべき存在の倉田も消えがちで、パトリックは中澤にガッチリマークされて動けず、どんどん遅攻サッカーに陥ってしまった。そして後半25分に横浜が絵に描いたようなカウンターから斎藤のスルーパスをマルティノスが決めて逆転してしまう。

そこからはガンバも初瀬を入れて逆襲を仕掛けるが、パトリックらが惜しいチャンスを決められず、ロスタイムのPKも何と名手遠藤がまさかのGKブロックに遭い、試合はそのまま2-1で横浜Fマリノスが勝利、ガンバは絶対に負けられないACL上海上港戦を前に公式戦3連敗を喫してしまった。

ガンバはとにかく遠藤の調子が上がらないのと、丹羽の離脱が地味に痛い。遠藤が本来の役割を果たせないので宇佐美がそれをカバーし、井手口は悪くないが今野に比べるとインテンシティが低く、ただでさえ薄い中盤の守備強度が落ちてしまっている。この歯車の狂いはどこで立て直せるのだろうか。

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