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「風間流ゲーゲンプレッシングと井原流5バックの勝負やいかに」ナビスコカップ グループB 川崎フロンターレ-アビスパ福岡

国際Aマッチウィークといえば、J2とナビスコカップの開催が恒例になっているが、今回はその中から戦術的に特徴がある川崎と福岡の試合をピックアップ。

J1で首位を走る好調の川崎は、何とこれまで2試合連続で無失点と、昨年のザル守備からゾーン・ディフェンスのカザマチオへと驚きの変貌を遂げたという事で注目したのだが、実際に試合を見てみると残念ながらゾーン・ディフェンスではなくて、ちょっとガッカリしてしまった(笑)。

ではどういう守備かというと、ゲーゲンプレッシングと呼ぶべき、ボールを奪われたら近くにいる選手がどんどんプレスバックして再び奪い返す狙いのディフェンスで、ゾーンを組んでディアゴナーレをするような精緻な組織ではない。ただ、昨年と大きく違うポイントは、4-4の形で選手間のバランスが取れている事にある。だから、ゲーゲンプレスも抜けなく連動して仕掛ける事が出来ている。夏場になって運動量が落ちた時が課題ではあるが、この守備が続けられる内は川崎の大崩れは無いだろう。

ただし、この試合で結局1点も取れずに負けたように、レギュラーでない選手の攻撃力については大きな課題がある。この試合では福岡は昨年のような5バックの布陣を取っており、川崎の選手が福岡のゾーンに入ると素早くマンマークが付くため、川崎の選手はなかなかそのマークを剥がせずバイタルの攻略に四苦八苦、結果的に遅攻になって福岡にとっては守りやすい試合になっていた。

風間監督も当然対策を立てたようで、中がダメなら外からという攻めの工夫はあったのだが、クロスの精度とスピードが中とうまく合わず、せっかくのチャンスを物に出来ず。また、PA内で良い形でパスを受けても、ボールの置き所が悪くて守備陣に一歩詰められてシュートが相手に当たったり枠に飛ばなかったりと、とにかく最後の詰めがことごとく甘かった印象。

福岡の攻撃は、これでどうやって点を取るんだというぐらいに前半はカウンターのチャンスすら作れなかったが、そこでズルズルと守備で下がってしまわず積極的に前へとマークに出る意識が続いたのが無失点の要因だった。そして我慢に我慢を重ねて最後にセットプレイから得点するという、いかにもという形でのウノゼロ勝利。まだ勝利がないリーグ戦に向けて、この勢いを持続したいところだ。

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