旧閑ガゼッタ

「”水を運ぶ人”原口が、今度は完全な勝利の立役者となった」ドイツ・ブンデスリーガ第27節 ヘルタ・ベルリン-インゴルシュタット

2部からの昇格組ながら、ここまで5試合負け無しで現在10位と中位に食らいついているインゴルシュタットをホームに迎えたヘルタの試合。

ヘルタのフォーメーションは4-2-3-1で、イビシェヴィッチの1トップにカルー、ダリダ、原口が並ぶいつものベストメンバー。対するインゴルシュタットは4-3-3。しかし守備時は4-1-4-1のような形になって、ヘルタの両ウイングをSBが、ダリダはアンカーの選手がというように、ヘルタのCB以外には全てマンマークでマッチアップさせるというガチガチの守備で臨んで来た。

今節に行われたドルトムントの試合でも、アウグスブルクが同じような形でガチガチな守備を仕掛けて来たのだが、ヘルタはドルトムントほど上手くパスは回せないので、ヘルタは前線の4人までボールが回って来ず、シュートもミドルやセットプレイから打つのが関の山で、原口がPA内でプレイする機会はほとんど無かった。しかし、香川と違って原口はボールが来なくても下がって来る事は少なく、しっかり自分のゾーンで攻守に走る地味な仕事を続けていた。ハリルホジッチが原口を中盤で使いたがるのも、こういったゾーンに対する感覚、タスク意識について評価しているのかもしれない。

そういう感じで前半のヘルタはまさに辛抱のサッカーだったのだが、それが後半にようやく報われる。9分にヘルタが中盤でファール気味にボールを奪うと、左サイドをオーバーラップしたプラッテンハルトに繋ぎ、原口がクロスをニアで合わせてヘルタが大きな先制点を挙げる。そして24分にも、やはり中盤でのパスカットからフリーで上がった原口にボールが渡り、原口はダイレクトで折り返すとファーサイドに詰めたカルーがきっちり押し込んでヘルタが2点目をゲット。

そこからh攻勢を強めるインゴルシュタットに対し、ヘルタがバタバタする場面が続き、30分には相手のクロスに対して中のマークが完全にずれてしまい、フリーでヘディングを押し込まれて1点差。最後はセットプレイで飛び出したヘルタGKヤーステインがボールに触れず、ヘディングを打たれてしまったが幸いゴールマウスを外れて命拾い、ヘルタは何とか勝利で試合を終える事が出来た。

ここまでは得点に絡むよりも、中盤と前線を繋ぐ潤滑油、”水を運ぶ人”としての貢献が大きかった原口だが、この試合は1得点1アシスト、それもヘルタにとって少ないチャンスをものにしたものであり、MOMは当然の活躍だった。これでヘルタも残り7試合で4位のシャルケに勝ち点4、5位のボルシアMGとは6の差になり、チャンピオンズリーグストレートインの可能性が見えて来た。日本代表にとっても、ロンドン五輪世代の選手がチャンピオンズリーグに出るという経験は非常に大きい。原口に負けず、他の選手もどんどんステップアップしてもらいたいところだ。