旧閑ガゼッタ

「不運なPKから起死回生の同点ゴールは嬉しかったが・・・」ACL グループH 広州恒大-浦和レッズ

前半早々に広州恒大から2失点を食らってしまい、このままあっさり浦和は大敗してしまうのかと思ったが、前半の30分に相手GKのパンチングミスを武藤が押し込んで1点差に迫ると、試合終了間際にズラタンの落としを興梠が叩き込んで劇的な同点劇で終わったこの試合。

確かに世界ナンバーワンの金満クラブである広州恒大から、アウェイで勝ち点1をもぎ取ったという点では殊勲と呼べる結果ではあるが、あまりに残念な失点の仕方と、広州恒大の完成度の低さを考えたら十分勝てる可能性はあったわけで、そういう意味ではもったいない結果だったと言える。

まず1失点目は相手のダイブによるPK判定だったのだが、ズラタンが腕で抱え込んでいたのは事実であり、この場面だけを見ると絶対にPKじゃないとは言い切れないプレイだった。Jリーグではあからさまに手を使って相手を止めようと言うシーンが多いが、欧州ではもっと巧妙に腕を下げてユニフォームを引っ張ったりと、審判が見えないところで工夫を凝らしている。ACLでは、あからさまにアウェイで相手に対して有利な判定が出ている事を考えると、浦和に限らずJリーグ勢はもっと警戒すべきところだと思う。

そして2失点目。森脇のそこに居ないかのごとき雑な守備は論外だが、西川も全くシュートを予測せずに棒立ちで寄せて股を抜かれてしまったのは代表正GKとしてあまりに情けない。西川はロスタイムのCKでも飛び出しで味方に当たってボールに触れず、フリーでヘディングされてしまったシーンもあり、良いセーブもあったが不安定な出来だった。

浦和は遠藤が先発していたので注目していたのだが、それよりも目立ったのは青木の健闘。他の選手が1対1で競り負けるシーンが多かった中、ブラジル人相手でもフィジカルに負けること無く、粘り強く走って広州の攻撃を中盤で摘み取っていた。一番最初に交代で退いてしまったが、前半を何とか持ちこたえられたのは彼の功績が大きかったように思う。

ただ広州恒大も出来は酷いもので、55億円で獲得したジャクソン・マルティネスはフィジカルの強さだけでプレイに切れもスピードもなく、2トップの片割れであるグラルのほうがよほどチームにとって戦力になっていた。つーか、今は上海上港にいるエウケソンとコンカを何で売ってしまったのか本当に不思議である。

広州は戦術的にも整備されておらず、サイドは浦和の柏木、梅崎をマンマークで守ってはいるんだけど、マークの受け渡しがされておらず両方一緒に下がってしまう事が多く、ボランチの両脇に広大なスペースが生まれてしまっていた。それでも前半は浦和がそこを上手く使えなかったのと、パウリーニョの高いカバーリング能力で何とかしていたのだが、後半17分に浦和が興梠を投入すると、興梠の縦の動きに広州の守備が引き出され、そこに武藤や李が入り込む形が機能して浦和のペースになってしまった。

その良い時間帯に得点が取れていれば逆転も可能だったように思うが、興梠が完全にどフリーになったヘディングを外し、せっかく逆サイドがフリーなのにサイドチェンジが不正確だったりと、攻撃に詰めの甘い点が多かったのが痛かった。そして後半も30分を過ぎると広州が浦和の攻撃に慣れ、浦和も前線の動きが鈍くなって負けムードが漂ったのだが、何とかワンチャンスで追いついて本当に良かった。

これでグループHは、最強と見られていた広州がまだ未勝利で何と勝ち点2で最下位、首位は勝ち点6のシドニーFC、その下に浦和と浦項が勝ち点4で並ぶ戦国状態になった。次はホームでまた広州との対戦だが、まだ広州には眠っててもらって今度こそ勝ち点3をゲットしたいところだ。