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「レスターが優勝したら、岡崎のオーバーヘッドはイングランドの歴史になる」イングランド・プレミアリーグ第30節 レスター・シティ-ニューカッスル・ユナイテッド

岡崎が試合の決勝点となるオーバーヘッドシュートを決めたという事で、翌日はもとより今も世界の話題になっているわけだが、ニューカッスル戦はレスターにとっては非常に厳しい内容の試合だった。

やはりここに来て蓄積した疲労やプレッシャーがあるのか、レスターの守備は序盤からあまりプレスがかからずラインがズルズルと下がってしまい、サイドで基点を作られてはPA内まで攻めこむニューカッスルの攻撃をかろうじて跳ね返す展開が続く。当然、そうなると攻撃へ転じる位置も低くなり、レスター自慢のカウンターもなかなか繰り出すことが出来ない悪循環。

そしてニューカッスルでは初陣となるベニテス監督は、さすがにゾーン・ディフェンスの一流の使い手だけあって短期間でチームの守備をまとめ上げ、レスターがボールを持つと素早く選手が帰陣してコンパクトなゾーンを作ってしまうため、高さのないレスターの攻撃陣にとっては攻め手をすっかり失ってしまった。

スペースが無い中での局地戦になると、やはり個人技とフィジカルで勝るニューカッスルが有利で、前半はいつ失点してもおかしくない劣勢が続いていただけに、岡崎の先制点はチームを救うものだったと言える。しかもこの試合90分を通じて、ニューカッスルが放ったシュートは13本に対しレスターは10本、しかもそのうち枠内シュートはわずか1本という苦戦だっただけに、なおさら価値が高いゴールだった。

後半になると岡崎にしては珍しく運動量が落ち始め、結局20分になると交代して若干心配したが、本人の話では風邪だったようでホッとした。そして相変わらず岡崎がいなくなると相手のボランチへのチェックが甘くなって試合を支配されてしまうパターンに陥ったが、ニューカッスルも決定力に欠けてシュートをミスしてくれたりで、最後は何とか時間稼ぎを駆使して逃げ切った。

これでレスターは残り8試合を残して2位のスパーズに勝ち点5差。普通であればもう逃げ切り体勢と呼べる状況かもしれないが、この試合を見てもここから楽な試合はおそらく1つも無く、一度足を踏み外したらズルズル行ってしまう危険性は高いと思う。特にラスト3試合は、マンU、エバートン、チェルシーというカードが待っているので、そこまで5差を縮められないようにしたい。

もし、このままレスターが逃げ切ってプレミアリーグ優勝を果たしてしまうと、おそらくこの岡崎のオーバーヘッドシュートは、今後イングランドで何十年にも渡ってビデオなどで振り返られるゴールになるんだろうね。それはそれでちょっと怖い気もするけど(笑)、是非とも本当の正夢になった欲しいものだ。

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