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「今期における原口の価値とヘルタの強みを証明した試合」ドイツ・ブンデスリーガ

今期のブンデスリーガは、1位のバイエルンと2位のドルトムントが突出していて、3位以下は団子状態で来季のチャンピオンズリーグ争いが非常に熱くなっているのだが、今節はそれを占う上で重用な試合、3位のヘルタと勝ち点1差で追う4位のシャルケの直接対決が行われた。

ヘルタもシャルケは、どちらもフォーメーションは4-2-3-1で、守備時には4-4-2のゾーンで守るスタイルも全く同じという似たもの同士であり、この試合もまさにミラーリングサッカーというで序盤からコンパクトかつ局面の争いが激しいめまぐるしい戦いになった。

しかし試合のペースを握っていたのはホームのヘルタ。ポゼッションの点ではシャルケのほうがやや上回ってはいたが、ヘルタのゾーン・ディフェンスは低い位置に押し込まれても極めて強固で、フンテラールの高さに脅かされる場面はあったが、地上戦ではシャルケが相手でも崩される雰囲気が無い。

そしてヘルタはボールを奪うと、原口やカルー、ヴァイザーといった選手が長い距離を走ってボールを運べるので、カウンターの場面になれば確実に相手ゴール前までボールを運ぶことが出来る。前節のHSV戦では原口がベンチで、カウンターのリンク役がカルー1人になって怖さが半減していたが、やはり原口とカルーのウイングはこのチームの生命線である事が良く分かる。

しかしヘルタも単発的なチャンスはあったが決めきれず、このまま前半は終わって後半勝負と思われた43分、ヘルタが左サイドの高い位置でボールを奪うと、中にいたカルーは左サイドから切れ込んだ原口にスルーパス、原口はシュート体勢に入ったが相手のスライディングが来たので横に並んで走りこんだイビシェヴィッチにパス、フリーになっていたイビシェヴィッチが楽々流し込んでヘルタが先制する。

後半はサイドを中心に攻勢を強めるシャルケに対し、ヘルタは守勢に回る時間帯が続くものの、20分にCKからDFのシュタルクがフリーでヘディングを叩き込んでヘルタが理想的な2点目。その後は前がかりになるシャルケに対し、ヘルタは何度も決定的なチャンスを作るのだがチゲルチやイビシェヴィッチがことごとく決められず、原口の2アシスト目も泡となってしまったが、シャルケも終盤のどフリーな場面で外してしまい、試合はそのまま2-0で終了。

これでヘルタは勝ち点を45に伸ばし、今節はフランクフルトに完勝したボルシアMGが勝ち点3差の4位に浮上、負けたシャルケは5位に下がってしまった。しかし残り試合は10節とまだまだあるので、最後まで予断を許さないチャンピオンズリーグ出場権争いになりそうだ。

 

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