サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「清武は救世主となったが、山口蛍は汚名を返上出来たのか?」ドイツ・ブンデスリーガ第23節 シュツットガルト-ハノーファー

清武、山口、酒井宏樹の日本人3選手が揃って先発した注目の試合。足の怪我から復帰して初先発となった清武はもちろんだが、それ以上にこの試合で注目したのは山口蛍。

3試合前のマインツとの試合で、山口は先発したもののわずか前半35分で交代させられるという屈辱のデビューとなってしまい、そこから2試合はベンチで出番無しという状態になってしまっていた、

山口はおそらく今までゾーン・ディフェンスをほとんど自分のチームでやっていなくて、代表での試合でも自分のゾーンを無視してボールサイドに寄ってしまい、そのスペースを相手に使われて大ピンチという事が何度かあり、そこが修正できないとドイツでは使ってもらえないと思っていただけに、先発復帰は期待もあり怖くもあった。

そして試合が始まってみると、監督から叩きこまれたのか一応は周りと連動しながら2ラインのゾーンを整えるポジションを取っていた。ボールサイドに寄ってしまってポジションに穴を空ける事が全く無かったわけじゃないし、終盤には決定機に繋がったポジショニングのミスはあったが、全体的には組織的に許容できる範囲で動けていたようで、これなら継続して使ってもらえそうだとホッとした。

後半からシュツットガルトに決定的な場面を作られまくっていたが、急造CBだったサネのおかげかラインが下がって中盤でプレスがかからなかった事と、プレスが無いのでDF陣が一発で当たりにいって交わされる事、セットプレイのマークが甘かった事で山口個人の問題というよりもチーム全体の問題だったからね。公式では清武がMOMだったが、自分が選ぶなら間違いなくGKのツィーターだったよ。

ただ、攻撃面では山口が入った効果ははっきり出ていた。今までは清武にパスを出せる清武が欲しかったハノーファーだが、山口は清武しか見てないんじゃないかと思うぐらいに徹底的にパスを出そうとしていたし、カウンターになりそうな場面では積極的に前線まで走り込んで攻撃参加をしていた。まあ、走り込んでもそこにパスを出してくれる選手は清武以外にはいないわけだが(苦笑)、それまでそういう動きすらハノーファーには無かったので、一気に攻撃のダイナミズムがアップしたのは間違いない。

清武については、怪我明けの初先発とあって後半15分ごろからは存在感が消えてしまったが、2得点をもたらしたFKの精度はさすが。1点目のFKをゲットしたのは、清武がダブルタッチからドリブルで2人のマークを交わしたところで倒されたからであり、今や純粋にトップ下の選手としては香川よりも上ではないかと思うぐらいに、ある意味異質な存在感を放っていた。

酒井は失点に繋がったマークミスはあったりセットプレイの守備は不安定だったが、後半は持ち直して自陣のスペースがスカスカな中、1対1で良く粘って何とかシュツットガルトの猛攻を耐え忍んだ。ハノーファーのDFラインが高ければもう少し攻撃でも貢献できたとは思うが・・・

内容はともかく、好調シュツットガルトにアウェイで勝ち点3をゲットした事で、プレーオフ圏の16位ブレーメンまでは勝ち点4に迫り、これで残留の可能性が何とか生まれて来た。明日はまたも強豪ヴォルフスブルクとの試合が待っているが、ここで負けない事が何より肝心である。3人の奮闘に期待したい。

モバイルバージョンを終了