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「本田をCB、香川をSBで使ったら普通はド素人監督」欧州CLベスト16 ユベントス-バイエルン・ミュンヘン

守備力なら欧州トップクラスのユベントスと、ポゼッション能力は今やバルサを上回るバイエルンという、まさに矛と盾の対決になったチャンピオンズリーグベスト16屈指の好カード。

当然ながら互いの戦術に注目して試合を見ていたのだが、ユベントスはオーソドックスな4-4-2で、まさにゾーン・ディフェンスのお手本のように精密な守備組織からカウンターを狙う形。対するバイエルンは4-1-4-1でCBに負傷者が続出しているせいもあって、何と中盤の選手であるキミッヒとSBのアラバがCBになって、ユーベではトップ下だったビダルがアンカーという仰天スタメンにして来た。

しかも試合が始まってみるとバイエルンに対する驚きはそれどころじゃなく、バイエルンの攻撃には何とSBのラームとベルナトがインサイドハーフの位置にまで上がり、インサイドハーフのチアゴ・アルカンタラがサイドの裏をケアし、CBのキミッヒとアラバがビダルを追い越してハーフラインの10m前が最終ラインという無茶苦茶なポジショニングを取って来た。

これはまるで、日本代表において本田をCBに、香川をSBにするようなもので、普通ならありえないド素人采配と切って捨ててしまうものだが、これをチャンピオンズリーグという世界トップの舞台で平然とやってしまうのがグアルディオラである。最近はトゥヘルがグアルディオラの真似事をしているようだが、戦術のん変態度合いではまだまだペップの足元にも及ばない(笑)。

このバイエルンの狙いは当然ユーベのゾーン・ディフェンス崩し。ラームとミュラーがポジションレス的にゾーンの中を泳ぎ、ロッベンとコスタのウイングが最後にドリブルから決定的な仕事をするという形。そしてその狙いはきっちり当たり、前半終了間際にロッベンのクロスを逆サイドのコスタが折り返し、マルキージオのクリアボールをミュラーが蹴りこんでバイエルンが先制する。

そして後半10分にはロッベンが彼の十八番である右サイドからドリブルで中に切れ込んでからのゴラッソを決めてバイエルンがユーベのホームで2点リード。これで勝負は早速決まったかと思われたのだが、ここからユベントスが驚異的な粘りを見せる。

18分に、バイエルンの最終ラインでのミスパスをマンジュキッチが拾ってディバラが冷静にゴールを決めて1点差に迫ると、31分には左サイドでポグバがボールを奪い、マンジュキッチ、モラタと浮き球を繋いで、最後はゴール前にストゥラーロが飛び込み、途中出場の2人でユーベが同点ゴールを決めて追いつき、試合はそのまま2-2で終了した。

バイエルンはやはり本職のCBがいなかったせいか、ゴール前での確実性、守備力といった弱点をユーベに突かれた結果になってしまった。しかしこれで勝負としては面白くなった。同点のままホームで試合が出来るバイエルン有利である事には変わらないが、ユーベにもチャンスは十分ありそうだ。

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