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「日本勢と同様に、オーストラリア勢もなかなか学習できないもんだね」ACLグループH 浦和レッズ-シドニーFC

火曜はJリーグ勢が共に負けてしまったACLだが、水曜に行われた試合では浦和がホームでシドニーに2-0と勝利し、ガンバはアウェイで水原三星にスコアレスドローとまずまずな結果となった。と言う訳で、せっかくなので勝ち試合になった浦和対シドニーのカードを見てみた。

昨日のFC東京対全北現代の試合を見ても分かる通り、相変わらずJリーグ勢は中韓勢のゴリ押しフィジカルサッカーに対して脆く、プレスと競り合いで圧倒されて押し込まれ、苦し紛れのクリアが拾えずセカンドボールを支配され、守備組織をかき回されて耐え切れず失点というパターンを繰り返しているわけだが、シドニーを見るとオーストラリア勢もJリーグに対していつまでたっても攻め方を間違ったままだよなあと思ってしまった。

そのシドニーが取って来たフォーメーションは5-4-1の守備的5バック。中韓勢を見れば、Jリーグのチームに対しては最初からガンガンプレスをかけてロングボールを放り込めば良いと気づいても良さそうなものなのに、どうも欧米系の人達というのは、アウェイではまず守りを固めるという「常識」から逃れられないようで、シドニーは2ラインをコンパクトにして自陣に引いて守るという戦い方をして来た。

そして案の定、前半8分に右サイドで浦和がボールを繋いで梅崎がグラウンダーのクロスを上げると、相手の足に当たってコースが変わり、中に入っていた武藤を相手のSBが捕まえきれず、ズラタンをスクリーンしたシドニーのCBの裏に入り込んでゴールへ流し込んだ。その後も浦和のペースは続くものの、槙野のオーバーヘッドの決定的な場面が決まらず1点差のまま。

ようやくこれでシドニーも学習したのか、そこからは中盤のラインが上がって浦和のビルドアップを防ぐようになり、浦和はマイボール時には阿部がDFラインに下がって青木が1ボランチのようになった4-1-4-1になっていたのだが、前線がなかなかポストに下がって来ないために縦パスが入らず、青木と阿部のコンビネーションが悪くて攻撃が一気に回らなくなる。そしてセットプレイから危ない場面を作るが、西川の顔面セーブなどで何とか無失点で前半を切り抜ける。

後半になると、浦和も修正が入ったのか前線がボールを受けに下がってビルドアップに参加するようになり、興梠の投入でさらにリズムが向上する。すると20分に、浦和がDFラインの裏へスルーパスを出すとこれが相手のクリアミスを誘い、ちょうどボールが飛び出した興梠に上手く渡り、PA内に入った興梠をシドニーのGKが倒してPK。これを興梠自身が落ち着いて決めて2点差。

浦和はその後も相変わらずセットプレイから危ないシーンを作るが、GK西川のファインセーブや相手のシュートミスに助けられて何とか90分間を無失点で切り抜け、今年は昨年とは違って無事初戦で勝ち点3をゲットした。とは言え、浦和のグループは死のグループであり、シドニーよりも力を持っている広州恒大や浦項といったライバルとの試合が待っているので全く気が抜けない。

この試合では、注目の遠藤航が無難にデビューを飾り、興梠、那須、柏木を先発から外して温存しても勝てたのは良かったが、青木は戦術的にフィットしきれず、セットプレイでマークのズレから危ない場面を多く作ったのには課題が残る。ひとまず3/2に待っている浦項とのアウェイ戦が最初の関門になりそうだ。

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