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「スパレッティ監督の戦術的な秘策はズバリと当たったのだが、惜しいかな選手が・・・」欧州CLベスト16 第1レグ ローマ-レアル・マドリー

グループリーグをわずか勝ち点6という少なさでかろうじて突破を果たしたローマと、5勝1分け無敗で楽々決勝トーナメント進出を決めたレアル・マドリーとの対戦。当然ながら、レアルの圧倒的有利に思われた試合だったが、少なくとも前半のレアルはローマの戦術に相当苦しめられる展開になった。

この試合でのローマのフォーメーションは4-5-1。普通は4バック+1トップの場合、4-1-4-1か4-4-1-1のどちらかになるパターンが多いのだが、ローマの並びはまさしく中盤が5枚で並ぶ形になっていた。ローマのスパレッティ監督がこの戦術に込めた狙いは、レアルのSB封じにあった。

レアルはいつもの4-3-3だが、レアルの攻撃の強みは、クリロナとハメス・ロドリゲス(ベイル)の強力なウイングに相手のマークを集めて出来たスペースに、SBのマルセロとカルバハルが攻撃参加する分厚さにある。ローマは、中盤のサイドをSBに最後までマークさせる事でレアルの組み立てを封じにかかった。レアルは前線+SBの5人がマークされたために、中盤のイスコやモドリッチにもパスコースが無くなり、DFラインの裏を狙う攻撃しか出来なくなってしまった。

そしてローマはボールを奪うと、カウンターからマルセロが上がったスペースに快速のモハメド・サラーを走らせ、14分には折り返しからエル・シャーラウィがゴール前で合わせると、前半終了間際にもカウンターからエル・シャーラウィが突破し、GKと1対1になるもののヴァランが間一髪追いついてクリアなど決定的なチャンスを作っていた。

レアルの守備は相手ボールになると、とりあえず自陣に戻ってスペースを埋める形が主体で、前線からボールを奪いに行くゲーゲンプレスではなかったので、ローマもボールを奪うと比較的簡単にゴール前までボールを運べたのだが、惜しむらくはラストパスの精度を欠いた事で、ローマペースだった前半のうちに点を奪えなかった事が結果的に響いてしまった。

ローマは後半9分にもGKのスローイングからエル・シャーラウィが抜け出すチャンスを作ったのだがやはりここでも決めきれない。すると11分に、それまできっちりマークしていたマルセロをフリーにしてしまうと、そこから左サイドを飛び出したクリロナにスルーパス、クリロナはヒールで中へ切り返すと、そのままファーサイドに豪快なシュートを叩き込んでレアルが個人の力で点をもぎ取ってしまう。

これでレアルはすっかり調子を取り戻してしまい、前半から既に相当な距離を走らされていたローマががっくりとペースダウン、そこからは何度もレアルがバイタルで前を向いて決定的なチャンスを作るもののイージーなシュートをなかなか決められなかったが、ようやく41分に交代で入ったヘセがあっさりとミドルシュートを突き刺してダメ押し。第1レグはレアルが2-0で試合を制した。

アウェイで2-0という結果、第2レグはホームの試合という事を考えるとレアルの勝ち抜けはほぼ決まったようなものだが、優勝できるかどうかを考えると、あまりインテンシティが高くない守備に不安があるように思う。ジダン監督になって、攻撃についてはのびのびやれている感じなので、どこまで攻撃力で押し切ることが出来るかが今後のポイントになりそうだ。