サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「メッシばりのドリブルシュートと、高校生並みの残念クロス」ドイツ・カップ 準々決勝 ハイデンハイム-ヘルタ・ベルリン

現在リーグ3位と好調なヘルタ・ベルリンは、ドイツカップでも順調に勝ち上がり、ブンデス2部で8位のハイデンハイムと戦った準々決勝も、終盤にPKで1点差まで迫られながらも逃げ切り、ドルトムントとの準決勝へと駒を進めた。

もちろんハイデンハイムの試合などは今まで見たことが無かったが、ドイツの2部というといかにもロングボールの肉弾サッカーを想像してしまうが、実際は非常に組織化されたプレス守備と、パスをしっかり繋いで来るモダンなチームで驚いてしまった。

特にプレッシングについては、ヘルタがDFラインでボールを持っても、ボランチとSBに必ずハイデンハイムの激しいプレッシャーが来るので、ヘルタがほとんどハーフラインからボールを進めることが出来なかったぐらいで、おそらく原口は前半15分ぐらいまで1度もボールを触れなかったはずだ。その勢いのまま、前半10分にCKをヘルタGKヤーステインがキャッチしようとした前に入られて先制点を奪われてしまう。

しかし、ここでヘルタがビルドアップに変化を加えた事が試合の流れを変えた。それまでサイドに張ったまま孤立していたカルーと原口の両SHが、低い位置に下がってビルドアップに加わる事で相手の守備を引き付け、出来たスペースにSBのヴァイザーやトップ下のダリダが入って基点を作れるようになると、14分と21分に右サイドで原口が絡んだ流れからクロスを上げると、イビシェヴィッチがドッペルパックを決めてヘルタが逆転する。

その後は、少し相手のプレッシングが落ちてヘルタがペースを握りながら進行するが、チャンスをなかなか活かせないまま後半に突入すると、ようやく後半13分に、左サイドで前を向いてボールを受けた原口がドリブルでカットイン、細かくコースを変えながら放ったシュートが決まってヘルタにとっては大きな3点目。

とは言え、ヘルタはそのまま楽勝とは行かず、終盤はなりふり構わず押し込んで来るハイデンハイムの勢いにドタバタしてしまい、後半37分にPA内でヴァイザーが必要ないスライディングをやらかしてしまってPK。残り時間はヘルタも何とか時間稼ぎをしようとするが上手く行かず、相手のシュートミスにも助けられてそのまま試合終了。

原口は華麗なドリブルシュートは当然素晴らしいが、他のミドルシュートとクロスは大変残念な出来で、もし勝ってなかったら叩かれてもおかしくないぐらいにプレイにムラがあったかなと。まあ、左のほうが明らかにやりやすいのに、主にチーム事情で右側で使われている不運はあるが、この得点をきっかけにリーグでも点を取れるようになってほしいね。

モバイルバージョンを終了