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「縁の下の力持ちとなった本田への信頼は高まる一方だが、FKではエゴを出して欲しいなと」イタリア・セリエA第24節 ミラン-ウディネーゼ

ここに来てようやく3連勝と波に乗りつつあるミランが、ホームに14位のウディネーゼを迎えた必勝の試合だったが、ミランは前半17分に相手のクロスからGKドンナルンマが2度のファインセーブを見せるも、最後はバーに当たったボールをアルメロに押し込まれて先制点を与えてしまうと、後半は猛攻を見せるも数々の決定機を決められず、結局は同点に追いついただけで試合終了。CL圏内を狙うには痛い勝ち点2を失ってしまった。

ミランは不動の左SHスタメンだったボナヴェントゥーラが怪我で欠場、その代役としてクツカが入り、ボランチはモントリーヴォとベルトラッチのコンビになったが、この起用は予想通り機能しなかった。

クツカはやはりボランチ的に動いてバランスを優先してしまうので、守備から攻撃の切り替えが遅くて推進力に欠け、右の本田とプレイのキャラクターが似ていて変化が生まれない。守備でもアントネッリとポジションの連携が取れてないので、そのサイドを相手に攻められる事が多く、先制点もクツカのところをあっさりパスで抜かれたところから始まった。

ベルトラッチについては、モントリーヴォが以前に比べるとよりはっきりとアンカーとして振舞っているので、かつてのようなベルトラッチとポジションの重なりは少なかったが、本来のクツカと本田、アバーテの組み合わせからすると、相変わらずサイドへのフォローが少なくてコンビネーションが無く、前半はアルメロに本田がガッチリマークされているのもあって、右からの組み立てが出来なかった。

クツカは太ももの負傷でハーフタイムに退き、バロテッリがFWになってニアンが右SHに下がったが、これが意外と功を奏した。バロテッリは、本田にしてみたら左足で狙える位置のFKを両方右足で外してしまったが、バロテッリが右サイドに流れてポストプレイをして何度か本田にパスをくれたりと関係性は悪く無く、これで前半は機能しなかった右サイドが生き返った。ニアンもクツカに比べると推進力があるので、これでウディネーゼのサイドが下がってしまい、ラインが上げられずミランがセカンドボールを支配する。

しかし、バッカが決定的なヘディング2本を決められず、ベルトラッチの強烈なシュートはクロスバーからGKの体に当たってゴールかと思われたがギリギリ掻き出されてしまうなどミランにはとことん運が無く、ロスタイムには本田から絶妙のクロスが上がるが、バロテッリが相手と絡んで倒れてしまい、PKを取ってもらえず試合終了。ミランにとっては何とももったいない結果になってしまった。

とは言え、バロテッリはセルフィッシュなプレイはあるものの意外とチームとフィットして来つつあるし、ボアテングは前線で周りを使うプレイをするので、本田とイマジネーションが合っているようだし、後半はモントリーヴォから右サイドの本田へ展開パスが何度も出されていたので、よりチームの中で本田が活きる形がベストメンバーでなくてもある程度出来つつある。クツカの怪我が心配だが、これを奇貨として層の厚みを増やしてもらいたいところである。

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