コッパ・イタリア、ミラノダービーと0-3で連敗し、ここ6試合の公式戦でも1勝しか出来ず、あっという間に首位のナポリから勝点9の差を付けられてしまったインテル。
チャンピオンズリーグを狙う上で絶対に落とせない試合となったキエーヴォ戦では、シュートが24本、クロスが38本という凄まじいスタッツで圧倒するが、結局得点は後半3分にCKからのこぼれ球を押し込んだイカルディによる1点のみと、相変わらず得点力不足に悩まされる現実を突きつけられてしまった。
インテルのフォーメーションはいつもの4-3-3で、SBはアレックス・テレスと長友の攻撃的なペアがチョイスされ、3トップはエデル、イカルディ、パラシオという組み合わせ。キエーヴォは4-3-1-2で、中盤が完全にマッチアップする噛みあわせ。
キエーヴォは、ボールがインテル陣内にある時は、インテルの中盤3枚と前線の3枚に激しくマンマークでプレスをかけるが、ボールがハーフラインを超えるとゾーン・ディフェンスに変化し、4バックと中盤3枚で中央を固めてパックし、インテルの攻撃を跳ね返すという2段構え。
当然、そうなるとインテルにとってはサイドのスペースが空くわけで、前半からアレックス・テレスと長友が面白いように駆け上がり、インテルは前半だけで16本のシュートと28本のクロスを上げるが、キエーヴォGKセクリンが至近距離からのヘディングを止めまくったのもあって一向に点が決まらない。
後半に入ってやっとこさイカルディの得点が決まり、そこからアレックス・テレスは上がる回数が減ったものの、長友はさらにエンジンがヒートアップして右サイドでボールを持てば必ず長友がオーバーラップ、1度カウンターの場面で前線の選手がドリブルしている間に長友が追い越していったのには笑ってしまった。ボールを奪ってから2~3秒しか経ってないのに追いつくとはワープしてんじゃないか(笑)。
長友は前半こそ、あまりにフリーで何をして良いか戸惑っているフシもあったが、途中からはのびのびとプレイして、イカルディがバーに当ててしまった10本に1本のピンポイントクロスや、華麗な高速スルーパスなんかを出したりして、アシストが付いてもおかしくない出来だった。
とは言え、守備では相変わらず危なっかしくて、当たりに行ったのに交わされた事があったし、ヘッドであっさり競り負けたり、ボールウォッチャーになってラインから取り残されたり、PA内で服を掴んであわやPKという場面もあってマンチーニ監督からの全幅の信頼を得られるにはまだ厳しいように見えた。吉田同様、そこは集中力の問題だと思うので改善して欲しいところ。
インテルは後半32分に、パラシオに代えてフアンを投入、勝利の方程式である3バックによる逃げ切りを図ったが、これが裏目に出て前線でボールがキープできずラインがズルズルと下がってしまい、終盤はキエーヴォに圧倒されてボコボコにやられてしまうが、何とか相手のシュートミスで失点を逃れて試合終了。勝ちはしたものの、攻守に大きな課題を残した試合となってしまった。
まあでも、中盤に本田のようなゲームメイカーがいないインテルにとっては、長友やアレックス・テレスのようなサイドで前線と後ろをつなぐ選手がいないと攻撃が組み立てられないのは事実なので、長友を使いつつ守備の連携を高める方向で、マンチーニ監督が考えを固めてくれるといいんだけどねえ。