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「クロップのレスター対策も、果てしなく進化するヴァーディと岡崎のおかげで台無し」イングランド・プレミアリーグ第24節 レスター・シティ-リバプール

年末で終わるだろうと誰もが思った快進撃も、気がつけば2月に入ってもまだ単独首位を守り続け、いよいよ本気でチャンピオンズリーグ出場はおろか、リーグ優勝までもが視野に入って来たレスター・シティ。リバプール、マンチェスター・シティ、アーセナルと続く難しい3連戦の初戦もあっさりとリバプールを2-0で退ける強さを見せつけた。

とは言え、リバプールは決して何も抵抗できなかったわけではなく、むしろ他のプレミアリーグのチームに比べてクロップ監督はレスターを良く研究、対策をして来た方だった。

リバプールのフォーメーションは4-3-3で、攻撃時はSBを最初から相当高い状態にして来た。これによって、レスターの両SHを低い位置に押し下げて、攻撃の経由地であるマフレズのルートを潰すと同時に、レスターの2トップの後ろに出来るスペースを中盤が使ってセカンドボールを支配する策に出て来た。

しかしクロップにとって不幸だったのは、レスターの2トップがヴァーディと岡崎だった事だ。レスターは守備時には岡崎がトップ下の位置に下がって、リバプールのボランチに対してプレスをかけて自由なパス出しを許さず、復調したヴァーディもトップでしっかりDFにプレッシャーをかける。リバプールは仕方なくサイドからボールを回すが、どうしても遅攻になってしまって結局は不正確なミドルシュートや適当なクロスで終わってしまう事になる。リバプールは全部で14本のシュートを放っているが、結果的に枠内はたったの1本。これでは当然勝てるはずもない。

そして伝家の宝刀、レスターの計算され尽くしたカウンター。前半8分に、惜しくもヘディングが正面に飛んでしまってミニョレにセーブされたがヴァーディから岡崎の流れは見事だったし、後半15分には岡崎が決められないのならと、マフレズの1発のロングパスをヴァーディがダイレクトでロングシュートを叩き込むスーペルゴラッソで先制点を取ると、26分にはオルブライトンからのカウンターパスを受けた岡崎がシュート、ボールは相手に当たってしまうがちょうど上手くヴァーディの前に転がり、ヴァーディが落ち着いて合わせて2点目、今のレスターには十分なリードである。

レスターの攻撃はカウンターだけでなく、惜しくもPKは取ってもらえなかったが、岡崎のゴール前抜け出しにつながったティキ・タカ・サッカーも披露するなど、選手のコンビネーションも絶好調。そしてその中心にはしっかりと岡崎が存在感を放っているのは頼もしい限り。

毎試合、恐るべき学習能力を発揮してくれる岡崎がこの試合で見せてくれたのは、ポストプレイの新たな工夫。今まではボールを受けた瞬間を狙われて体をバチーンと当てられ、重心が崩れてロストという場面が多かったのだが、今は単に足元で受けるのではなく、一旦受けるフェイントを見せてボールを流してから受けたり、相手に体をぶつけてから入れ替わって受けたりと、リバプールのCB、ロヴレンとサコの守備がルーズだったとはいえ、相手のベクトルを上手く受け流すようなプレイを披露していて驚かされた。

ポストプレイの安定感が高まった事により、ボールを奪ってもすぐにヴァーディに向かって放り込まれていたレスターの攻撃が、今は岡崎を経由して組み立てる回数が増え、それによって相手の守備が引きつけられる事でさらにカウンターの破壊力が高まるという好循環が生まれている。次は単独2位に浮上してきたマンチェスター・シティとの試合だが、きっと良い試合になるはず。是非、岡崎のゴールで勝利を飾ってほしいね。

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