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「長谷部のゴール前クリアからのマイヤーハットトリック」ドイツ・ブンデスリーガ第18節 フランクフルト-ヴォルフスブルク

チャンピオンズリーグはグループリーグを勝ち抜き、過密日程の中リーグも現在7位と粘っている強豪ヴォルフスブルクを、14位と低迷しているフランクフルトがホームで迎えた試合は、シーソーゲームの果てにロスタイムでマイヤーのハットトリックとなる決勝ゴールが決まり、フランクフルトが劇的な勝利を飾った。

とは言え、ヴォルフスブルクにしてみたら負けた気が全くしない試合だっただろう。4-4-2のフォーメーションを組んだフランクフルトは、前半と後半の序盤に前からプレスがかかっている時はそれなりに互角の戦いが出来るのだが、15分もするとプレスが息切れして前線と守備陣が間延びしてしまい、ボランチから先にパスを繋ぐ形がまるで出来ていないので、パスがことごとくヴォルフスブルクにカットされて大ピンチを量産してしまう。

一応、最近の流行を習ってかフランクフルトは高く上がったSBとアンカーとの間でWの字を作ってビルドアップしようとするのだが、ビルドアップの次ですぐミスになってしまうため、そのままアンカー横のスペースを使われてSBの裏へやすやすとボールを通され、かえってビルドアップの形が逆効果になってしまっていた。

特に長谷部のサイドは、ドラクスラーとシュールレというドイツきってのドリブラーがコンビを組んで襲いかかり、右SHのアイクナーは戻ってこないし、ボランチもCBも中を守るの精一杯で、長谷部は孤立無援の戦いを強いられてしまう。

ところがヴォルフスブルクは圧倒的にチャンスを量産しながらも、ゴール前でどフリーのシュートをあさっての方向に飛ばしたり、カウンターで数的有利なのにパスがずれたりタイミングが合わなかったりでシュートまで持って行け無かったりと、最後の詰めが甘くて前半は25分にダンテがセットプレイから挙げた得点のみ。この大拙攻が結果的に致命傷になってしまった。

後半も20分まではフランクフルトは全く何も出来なかったのだが、ここからエースのマイヤーが謎の大爆発。22分に左サイドからのクロスを頭で落としたボールを倒れ込みながらのボレーで同点に追いつくと、6分後には中盤でボールを奪ってからのクロスをまたもマイヤーがダイレクトで叩き込んで逆転してしまう。

ヴォルフスブルクは後半34分になってようやく右サイドでの崩しからシュールレが中央で合わせて同点に追いつき、ロスタイムにはヴィエイリーニャがドリブルからGKを越す決定的なループシュートを放ったが、必死で戻った長谷部が寸前にクリアして逆転ならず。フランクフルトはロスタイムに選手交代をして完全に引き分けでOKという体制になったが、ロスタイムも2分過ぎに後半から出場したファビアンがドリブルで1人交わして突破すると、クロスはGKベナーリョが何とかクリアするものの、こぼれ球をマイヤーが押し込んで劇的なハットトリック勝ち越しゴール。そしてタイムアップ。

フランクフルトは奇跡的に勝ちはしたが内容的には酷いもので、清武抜きのハノーファーよりはマシだが相変わらず残留争いを抜け出す光明は見られない。そんな中で少し気休めになりそうなのが、後半から入った新加入のメキシコ代表ファビアンで、ほぼ点でしか合わせられないフランクフルトの攻撃陣にあって、唯一個人のドリブルでキープや突破が出来、攻撃のアクセントとして効果的である事を証明した。まあ、一番確実なのは監督を変える事だと思うんだけどね・・・(笑)

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