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「4-1-4-1=9-2-2-2」U-23アジア選手権 グループB 日本-サウジアラビア

既にグループ首位通過を決めて臨んだ最終のサウジアラビア戦。日本はタイ戦から10人入れ替える大幅なターンオーバーで戦力を温存したが、前半31分に大島のスーペルゴラッソなミドルシュートで先制すると、後半8分に南野のドリブルによる切れ込みから最後は井手口が合わせて2点目を決め、12分に厳しすぎる判定でPKを与えて1点差に迫られたが、そこからは疲れの見える相手をきっちり封じて2-1で終了、3連勝を飾ってグループリーグを終えた。

そして裏の試合では北朝鮮とタイが引き分け、1位の日本が勝ち点9で、その下に3チームが同じ勝ち点2で並ぶ9-2-2-2という珍しいグループリーグの結果になってしまった。しかも北朝鮮とサウジは勝ち点はもちろん、得失点差、総得点、総失点も同じで、この場合はどうなるかというと、当該成績の総得点、つまり北朝鮮は日本から点が取れず、サウジは1点を取ったので、サウジの総得点がマイナス1され、これで北朝鮮が2位になるという珍しい決着となった。

日本のフォーメーションは、三竿がアンカーでインサイドハーフに大島と井手口を並べた4-3-3(守備時は4-1-4-1)。本来の狙いは、4-2-3-1のフォーメーションを取るサウジのトップ下、カンノとボランチ2枚を嵌めるための変更だったが、これが非常に効果的だった。

なんちゃってゾーン・ディフェンスで守備が連動していない日本は、ダブルボランチだと選手があちこち動いた後にスペースが空いてそこを使われてDFがギリギリで止めるような危ない場面を作りがちだったのだが、三竿がバイタルに陣取ることで安定が生まれ、守備よりも攻撃に特徴がある大島が自由に動くことが出来、偽トップ下として日本のチャンスメーカーになっていた。そして初先発の井手口も落ち着いたプレイを見せ、中盤でバランスを取ってボールをしっかり刈り取っていた。

ただその分1トップのオナイウ阿道は孤立気味で、南野はサイドから単独ドリブルでの突破に強みを見せる選手だし、中島は守備に回る事は多くて高い位置でボールを受けられずと、攻撃の厚みという点では物足りなさは残った。が、本来の4-4-2へのシフトはそれほど難しくないフォーメーションなので、相手が序盤から押してくるであろうイラン戦では、前半は4-1-4-1でしっかり守って、後半は4-4-2でアクセルを踏むというような流れで良いかもしれない。

あとの懸念点としてはまだ安定しているとは言いがたいDFライン。この試合でも怪我明けとはいえ松原がサウジのアブドゥルラフマンに再三突破を許し、PKにはならなかったが前半に奈良が相手を手で倒してしまうファールもあった。日本はフィジカルが強い相手には手を使ってしまう癖があり、北朝鮮戦でもそれで何度もファールを取られてしまったので、フィジカルでは北朝鮮を上回るイラン戦では十分気をつけたいところだ。

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