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「オーストラリアDFが謎のアウトサイドでオウンゴール」U-23アジア選手権 グループD オーストラリア-UAE

日本が勝ち進めば準決勝で当たる可能性があるグループDの試合。グループの本命はオーストラリアだったはずなのだが、何と初戦のUAE戦は終盤にオウンゴールを喫して0-1で負けるという意外な結果になってしまった。

UAEのフォーメーションは4-2-3-1。並びは日本と同じだが、こちらのほうがよほどしっかりしたゾーン・ディフェンスになっていて、2ラインがコンパクトでボランチも日本のようにフラフラとどっか行ったりはしない(笑)。が、スペインやイタリアの精緻な連携は無く、アフリカ系のチームに良く見られるような、あまり左右にスライドせず縦にだけコンパクトで、サイドの連携や上げ下げが少なく個人の突破に頼る守備である。

オーストラリアのほうはいつもの4-3-3で、中央が固いUAEに対して序盤は大きなサイドチェンジからの速い攻撃を意識していたが、途中からはウイングにボールを預けてインサイドハーフが絡み、SBが外側をオーバラップというパターンでUAEのゾーン外側を攻める組み立てを見せ始めると、ディアゴナーレの動きに乏しいUAEはDFラインに中盤が吸収されるだけでズルズルとラインが下がってしまい、オーストラリアの一方的な展開になる。

しかしオーストラリアの攻撃は単調で、ウイングのドリブル突破かクロスしかラストプレイが無く、中はケーヒルのような絶対的な高さが無い上にクロスの精度も低いので、圧倒的に攻めながらも前半はたったのシュート1本。しかもオフサイドにはなったがDFのクリアミスであわやオウンゴールという場面を作って不穏な空気が流れる。

後半になると、UAEはサイドのゾーン守備をやめて、SBがオーストラリアのウイングに、ウイングがSBにという形ではっきりマンマークを行うようになる。すると、攻撃の組み立てをペインとフールの両ウイングによる基点に頼っていたオーストラリアは前にボールを送れなくなり、逆にUAEは7番サイードの突破などから運動量が落ちたオーストラリアを攻め込み始め、2番アンバルがGKがギリギリ弾く強烈なミドルを打つなどチャンスを作る。

すると後半41分に、UAEがショートコーナーからクロスを上げると、いったんはDFに跳ね返されるもののセカンドボールを送り返され、競り合いからこぼれたボールにオーストラリアCBガリフオコが反応してアウトサイドでクリアしようとしたら、これが見事にゴールへ吸い込まれてUAEが先制してしまう。いくらとっさのプレイとは言え、ガリフオコは擁護のしようがないあまりに軽率な対応だった。そしてそのまま試合終了。

オーストラリアは、良く組織はされているんだけど攻撃のバリエーションが少なく、ケーヒルみたいな決定力のあるFWがいないので、当然1試合見ただけでは分からないけれども、日本が対戦するとしても殖田と岩波の高さがあればそんなに厳しい相手ではないような気がする。逆に、個人突破力があって一発のシュート力があるUAEのほうが、対戦すると怖いような気がするのだが・・・

まあその前に、カタールかイランと当たる準々決勝の心配をしないといけないんだけどね(苦笑)。そのグループAの直接対決はカタールが勝ったようで、今回は開催国とあって主力が何人か抜けているイランのほうが与し易いかもしれないなあ。

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