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「何故、岡崎はここに来てコロコロと倒れなくなったのか」イングランド・プレミアリーグ 第21節 トットナム・ホットスパー-レスター・シティ

日曜日に行われたFAカップで引き分けて再試合が決まった相手であるスパーズと、今度はリーグ戦として対戦した試合。レスター・シティの先発2トップは、怪我から復帰したヴァーディと岡崎が起用された。

スパーズの戦術は並び的には4-2-3-1だが、マイボール時にはデイビスとウォーカーの両SBが高く上がり、ボランチのダイアーがアンカーの位置に下がってWの字を作ってビルドアップする、近年流行しているスタイルでボールを支配する。対するレスターは、4-4-2のコンベンショナルなゾーン・ディフェンスで自陣にしっかりコンパクトな2ラインを引いて対抗する。

U-23日本の北朝鮮戦とレスターを比べると、明らかに違うのはDFラインとFWまでの距離、そしてボランチのポジショニング。レスターはボランチが常にセンター付近に陣取って中盤のフィルターとして働き、FWの岡崎が下がって守備参加するため、ほとんどバイタルのスペースが開かない。FWが遠くに居てボランチがボールサイドへ動きまくる日本とは、同じ4-4-2でも全然違う代物だ。

ただ、スパーズもさすがに戦術には一家言あるポチェッティーノ監督だけあってゾーン・ディフェンス攻略はきっちりやっており、高い位置取りをするSBがゾーンの外側からクロスを狙い、前線は2ラインの隙間でボールを受けて、少ないタッチで繋いでラインの裏を狙っていた。ハリー・ケインやアルデルヴァイレルトが決定的なチャンスに外してくれたのとシュマイケルのスーパーセーブで助かったが、レスターはかなり苦しい試合内容だった。

そんな厳しい中で奮闘していたのは岡崎。ヴァーディがまだ本調子でなくて消えがちな中、守備での貢献はもちろん、攻撃時には素早い動き出しで確実にポストプレイをこなし、ボールを渡してまた前線へと駆け上がる精力的なプレイで、スパーズのプレッシャーを弱める大きな働きを見せていた。シュートこそ1本のみに終わったがアシスト未遂のチャンスも2回あり、及第点以上で出来だったと言える。

特に今までの岡崎であれば、ポストプレイは体格差で当たり負けし、ボールをロストした後で苦し紛れに倒れてファールをアピールするようなシーンが多かったのだが、この試合でのポストプレイはそもそも相手に当たられる機会が非常に少なかった。チームメイトと岡崎の動き出しとの呼吸がようやく合って来た事と、ヴァーディが調子を落としているので何が何でもまずヴァーディへパスという形が減った事もあるのだろう。

ヴァーディは後半26分にウジョアと交代したが、ウジョアも精力的に動いてプレスをかけ続けてレスターに流れを引き寄せると、後半38分にフクスのCKからフリーになっていたフートが狙いすましたヘディングを決めてレスターが先制、そこからはガッチリと守備を固めて1-0で逃げ切った。

ただでさえハードスケジュールな年末年始に、強豪との対決が重なっていたレスターは順位下落が危惧されていたのだが、何と試合に負けたのはリバプールとの試合だけで、アーセナルと勝ち点で並んだリーグ2位と驚くべき粘りを見せている。4位のスパーズとは勝ち点7の差でまだまだ安心は出来ないが、ここまでの堅実な試合内容を見ているとチャンピオンズリーグも決して夢では無くなってきたように思う。いや楽しみな後半戦だよね。

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