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「本田が活躍したのは、チームが振り出しに戻ったおかげという皮肉」イタリア・セリエA第17節 フロジノーネ-ミラン

ミッドウィークに行われたコッパ・イタリアのサンプドリア戦で、本田が1アシストを記録した活躍のおかげか、今度はリーグ戦でも3ヶ月ぶりに先発の座が回って来た。

そしてこの試合でもアシストを記録して勝利したわけだが、降格圏のフロジノーネに対して先制点を含む2点を失ったのを見ても分かる通り、チームの内容的にはとうてい手放しとは行かない試合であった。

ミランのフォーメーションは、ニアンとバッカの2トップに、SHがボナヴェントゥーラと本田、ボランチがベルトラッチとモントリーヴォ、DFがデ・シーリオ、ロマニョーリ、アレックス、アバーテという4-4-2。対するフロジノーネも同じ4-4-2のマッチアップ。

試合は、アウェイではからきしだがホームではそこそこ強いフロジノーネが鋭い出足でミランにプレッシャーをかけ、ボールを奪うとサイドに早くボールを送って攻めこむ。しかしミランもサイドを分厚く・・・と言いたいところだけど、左SHのモントリーヴォは中に入りたがり、ボランチのベルトラッチも妙にポジションが高く、バイタルにはスペースをケアできないボナヴェントゥーラが1人でポツン。で案の定、19分にスカスカのバイタルからど真ん中をスルーパスで割られて早速失点してしまう。

そんな中でも本田は、比較的4-4-2の決まり事を守ってサイドを愚直に上下し、サイドに張ってアバーテからの縦パスを受けたり、中に寄ってボールを受けてからアバーテのオーバーラップに合わせたりと、アバーテとのコンビネーションが蘇ってミランの攻撃にリズムを作るようになる。

前半は無得点で折り返したものの、後半開始直後に本田が惜しいシュートを放つと、6分に左サイドでの展開から中の本田にパス、これを本田が素早くオーバーラップしたアバーテに送り、角度のないところからシュートが決まってミランが先制。その4分後にも、ミランが本田も絡んでピッチをワイドに使ってフロジノーネの守備を広げると、最後はバッカが浮き球をGKより先に触ってミランが逆転、32分にはCKからどフリーになったアレックスが頭で3点目を決めてフロジノーネを突き放す。

フロジノーネは後半39分にミランの雑な守備から1点を返すものの、後半ロスタイムに左サイドに寄っていた本田も絡んで、最後はポーリからサイドを抜け出したボナヴェントゥーラに渡り、シュートがコースに決まってダメ押しの4点目を決め、試合終了。前半に飛ばしすぎたフロジノーネの自滅とは言え、リーグ戦2試合連続で引き分けていたミランにとっては明るい結果になった。

本田については、ここ最近では珍しく最後まで運動量が落ちず、ようやくコンディションがベストに近くなって来たかなという印象。打つタイミングが読まれているのか、ミドルシュートがDFに当たる事が多かったのは残念だったが、後半はサイドとトップ下を使い分けて上手くミランの攻撃に絡む事が出来、アバーテとのコンビネーションでサイドも打開できていた。

とは言え、それは2014シーズン序盤に見せたチームの形に戻っただけであり、ようやく長い回り道をしてスタートラインに帰って来ただけに過ぎない。不安定な左サイドとボランチの問題や、冬に復帰しそうなバロテッリとメネズといったセルフィッシュな選手を今後どう組み込むのか。チームプレイに徹する事が出来る本田を軸にすればまとまりそうな気がするのだが・・・

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