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「またしても香川が出場してから、チームは得点ラッシュだったわけだが」ドイツ・カップ3回戦 アウグスブルク-ボルシア・ドルトムント

リーグ戦3試合連続で途中出場が続いている香川は、このドイツ・カップのアウグスブルク戦でもベンチスタートで、3トップがムヒタリアン、ラモス、オーバメヤン、中盤がカストロ、ヴァイグル、ギュンドアンというスタメンだった。

ここ4試合負け無しと不調から挽回しつつあるアウグスブルクは、4-2-3-1のフォーメーションで、ヴァイグルにはトップ下のマイヤー、カストロとギュンドアンにはダブルボランチがしっかりとマークに付き、コンパクトなゾーンを崩さず激しいプレスでドルトムントの攻撃に対抗する。

しかしターンオーバーを推進しようとするトゥヘルの親心(?)はなかなか選手に伝わらず、カストロは相変わらず前に行き過ぎバイタルで埋もれてボールを受けられず、ラモスとオーバメヤンは裏に抜けようとするばかりで、ドルトムントはサイドにボールを回すかDF裏へのロングパスしか攻め手が無い状態。

後半になると、ドルトムントはオーバメヤンが中に入ってラモスと2トップのような形になり、ウイングの位置にはピシュチェクが上がって3-3-4のような形になる。これでパスコースが作れるようになったドルトムントがボールを支配し始めるが、ミスからカウンターを食らってボバディージャにGKと1対1の大ピンチを作られてしまうが、ここはビュルキが落ち着いた反応で何とか防ぐ。

その直後の後半13分に、ようやく切り札香川が登場。と思ったら、香川は絡まなかったが右サイドに展開されたボールをチ・ドンウォンがクリアしようとしたところをピシュチェクがカット、そのボールが上手くオーバメヤンの前に転がってドルトムントが先制する。

そして香川が入る事でドルトムントの攻撃はガラッと変わった。それまでは、各選手のボールタッチが多くて直線的なパスや無理なドリブルが多かったのに、香川は細かく動いてボールを受けてはすぐにパス、そして動き直しという一連の動作を絶え間なく続けるため、香川のマークに相手も細かく動かざるを得ず、それが結果的にドルトムントの選手にパスを受けるスペースとコースを作り出す効果になるのだ。

香川は21分にムヒタリアンの得点をアシストした後、インサイドハーフではなくてトップ下に移動してドルトムントは4-4-1-1のフォーメーションにシフト、その後はしっかり守備を固める作戦に変更する。香川はトップ下になってからあまりボールが来なくなったが、終盤に右サイドで股抜きを含めて2人を置き去りにして独走すると、ムヒタリアンが決めるだけのクロスを上げるが得点にはつながらず、試合はそのまま2-0で終了。

トゥヘルは、何とかして香川を欠いても攻撃を機能させよう、ラモスをオーバメヤンの代わりになるようにしようと努力しているのかもしれないが、前途はかなり厳しくなって来たと言わざるを得ない。トゥヘル自身は冬の移籍は好きじゃないと公言しているが、出番が激減しているスボティッチやホフマンの動向も含め、何か動きが出て来るかもしれないね。

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