サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「これが、あのモウリーニョが率いているチームなのかと愕然」イングランド・プレミアリーグ第16節 レスター・シティ-チェルシー

昨晩に道頓堀川でゲリラ的に行われたリーベル・プレートサポーターによる決起集会「バンデラッソ」の話題で、関西人としては気分が盛り上がってしまったんだけど、その後に見たレスター・シティとチェルシーの試合のおかげで急に気分がしんみりしてしまった(笑)。

リーグ戦で絶不調だと聞いていたけど、チャンピオンズリーグは決勝トーナメントに勝ち上がっているし、何かひとつきっかけがあれば浮上できる状態なのかなと思っていたけど、ここまで重症だとは思わなかった。

モウリーニョが率いるチームといえば、どんなスター選手であっても鉄の規律に従わせ、水も漏らさぬ強固な守備で「つまらないサッカー」批判などどこ吹く風で勝ち点を積み上げるイメージがあったのだが、その守備自体が全く機能していない。

まずバーディが奪った先制点の場面では、中盤でイーブンボールになっているのにDFラインは棒立ちでSBは中途半端に高い位置取りになっており、レスターボールになって慌てて縦パスに対してズマが当たりに行くものの、その時点で最終ラインはテリー1人のみ。慌てて両SBが後ろを向いてスペースを埋めに下がるのだが、当然ボールなんか見てないのでマフレズがフリーでボールをキープすると、DF全員がマフレズに意識が行ってしまってヴァーディの飛び出しに誰も気付かず、クロスにフリーで合わされて失点してしまった。

2点目の場面も、いったんレスター側にボールが下がった後のDFの押し上げが遅い上にバラバラで、ラインがしっかり上がっていればマフレズはオフサイドだったのにPA内にサイドチェンジを楽々通され、アスピリクエタが1対1で対応しているのに誰もカバーに参戦せず、切り返しからあっさりとコースに決められてしまった。

対するレスターの守備を見ると、マイボールになるとDFラインがきちんと揃ってグイッと押し上げ、チェルシーのCBやボランチがボールを持つと2トップが忠実にプレスをかけ、縦パスに対しては必ずアタックが入り、SBが上がったスペースにサイドチェンジを通されてもCBが素早くカバー、そしてCBが動いたスペースにはボランチが入り、SBが素早く戻って数的有利を作って奪うなど、ゾーン・ディフェンスのスカルトゥーラとディアゴナーレの連動性が完璧に保たれている。

こういう守備に対しては、狭いスペースでボールを受けて前を向けるアザールのような選手が重要になるのだが、そのアザールは昨シーズンに比べると別人のように動きが重くてドリブルで打開できず、前半30分で怪我(?)のため交代。ジエゴ・コスタもすっかり切れを失って夢遊病のようにトップでフラフラしているだけ。チェルシーのポゼッションは60%を超えていたが、ほとんど自陣とサイドの間でボールが行ったり来たりするだけだった。

後半の8分にセスク・ファブレガスが入った事によってようやくチェルシーに創造性が加わるようになり、17分にセスクのパスからジエゴ・コスタが抜けだしてシュートを放つものの、レスターGKシュマイケルに阻まれてしまう。結局、ジエゴ・コスタのシュートは試合を通じてこの1本だけであった。チェルシーは32分にペドロのクロスにレミーが合わせて1点差に迫るものの、レスターは最後に岡崎を投入して前線でプレスをかけまくり、余裕の逃げ切りで勝利。順位差を順当に反映した結果であった。

昨シーズンのドルトムントの場合は、全体的に空回りはしていたけど少なくとも選手の必死さは伝わったが、今のチェルシーは選手にそういう覇気が感じられず、ジエゴ・コスタは失点に対して「DFが寝てたからだ」ジェスチャーまでするし、残念ながらこれは手の施しようがない重症のように思う。原因がどちらかがじゃなくて監督も選手も全てが悪いとしか言えないけど、これを打開するのはやはりモウリーニョが辞めないとどうしようも無いんじゃないだろうか。

モバイルバージョンを終了