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「これで武藤に決定力が無いと非難するのはさすがに気の毒」ドイツ・ブンデスリーガ第16節 マインツ-シュツットガルト

ここまで公式戦5試合で3勝2分けと無敗で7位にまで上り詰めたマインツ。しかし今節は最下位のシュツットガルト相手のホーム試合で最後まで得点が取れずにスコアレスドローで終わり、マインツにとっては手痛い足踏みになってしまった。

と書くと、いかにもマインツが万全なチームのように見えるのだが、ずっと試合を見ているとマインツの快進撃は多分に攻撃陣の好調と運の良さのおかげであって、この試合のようにシュツットガルトがきっちりマインツ対策を仕掛けて来れば、とたんに上手く行かなくなるのはある意味予想は出来ていた。

マインツのサッカーはとにかくリアクションが命。DF陣にビルドアップは期待できず、中盤を「偽ダビド・ルイス」バウムガルトリンガーが駆けずり回ってボールを奪い、武藤を基点にマリやハイロが絡んでカウンターから得点を奪う。まさにマインツはこれだけで勝って来たチームである。

シュツットガルトのフォーメーションは、並び的には4-2-3-1だが実質的にはほぼ4-4-2。そしてあまりラインを高く上げずに自陣にコンパクトな4-4のゾーンを作って、マインツに対してカウンターを狙う戦い方に出て来た。

今までマインツと戦う相手は、だいたいマインツに対して攻撃的なサッカーをやって来るチームばかりで、シュツットガルトのように引いて守る相手は、格下相手の練習試合を除けばおそらく初めてのはず。これで案の定マインツはすっかり攻め手を失ってしまった。

それでも序盤は武藤に縦パスが出て、武藤も頑張ってボールは収めていたんだけど、シュツットガルトはマインツの2列目の選手がボールを受けられるスペースを作ってくれず、武藤のポストが機能出来ないと分かると今度は武藤にすらボールが来なくなってしまった。結局、マインツのシュート数は試合を通じてわずか6本という有様で、これでは決定力以前の問題である。

それでも、後半12分にはPA内左でフリーになった状態から武藤が、33分にはデ・ブラシスが決定的なシュートを放つものの、これはシュツットガルトGKタイソンの素晴らしいセービングにあって得点ならず。ずっと運が味方してくれていたマインツだが、残念ながら今回は幸運が来てくれなかった。

来週、ウィンターブレイク前最後の相手はヘルタ・ベルリン。今のマインツであればアウェイ戦のほうが可能性は高いと言えるが、ヘルタも強固なゾーン・ディフェンスを誇るチームだけに、マインツにとっては与し易い相手とはいえない。武藤もまだ運動量が少なめで本調子では無いし、じっくり守って一発のカウンターに賭けたいところか。

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