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「香川が今のマンUなら勝てると言ってのける根拠」欧州CL グループB ヴォルフスブルク-マンチェスター・ユナイテッド

チャンピオンズリーグのグループリーグ最終節。このグループBは、ヴォルフスブルクの勝ち点9からそれぞれ1点差でマンU、PSVと並ぶ大激戦で、試合の結果によってはその3チーム全てに1位抜けの可能性があったのだが、蓋を開けてみればグループの本命だったマンUだけが試合に負けてグループリーグ敗退、3位でヨーロッパリーグ送りになるというまさかの結果になってしまった。

試合は、マンUが前半14分にマタのスルーパスに抜けだしたマルシャルが決めて先制するものの、直後にFKからナウドに上手く足でコースを変えられ失点、29分には右サイドを綺麗に崩されてドラクスラーのワンツーからヴィエイリーニャが決めてヴォルフスブルクがリードして折り返し。

その後はマンUペースになるもゴールがオフサイドと判定されたり、ヴォルフスブルクGKベナーリオの攻守に阻まれ同点には至らず、37分にようやくCKからフェライニのヘディングをギラヴォギがクリアしそこねてオウンゴールで追いつくが、またも得点直後にナウドのヘディングが決まって結局3-2でヴォルフスブルクが勝利した。

展開自体はエキサイティングで楽しめるものではあったが、マンUに怪我人が多いとはいえ、ドルトムントに負けて中2日で試合に臨んだヴォルフスブルクと同格レベルで打ち合いをして負けるというのは、仮にもビッグクラブとしては何とも情けない状況だと言わざるを得ない。

とりわけ気になったのが、ファン・ハール監督がマンUをいったいどういうチームにしたいのかというビジョンが、戦術や選手起用から全く伺えない事である。

この試合のフォーメーションは4-2-3-1で、ダブルボランチはフェライニとシュバインシュタイガーだったのだが、フェライニが攻撃時は常に上がり気味でアンカーになっていたシュバインシュタイガーが常に2列目のプレスを受けてビルドアップが機能不全に陥っていた。そしてデパイとリンガードはサイドに張るだけで、唯一マタだけが縦パスを受けてからアクセントを作り出していたが、先制点後は警戒されてなかなかボールが受けられない。

2点目を取られてから、ようやくシュバインシュタイガーがビルドアップ時に下がって3バックのようになり、SBが高い位置で基点になり始めてからはマンUがサイドを支配して良いリズムになったのだが、後半24分という早い時間に、それまでチャンスメイカーとして孤軍奮闘していたマタと、ビルドアップの中心になっていたシュバインシュタイガーを下げてしまう。

で、投入されたパウエルとキャリックは何も違いを生み出せず、かえってそれまで良いリズムだった攻撃はすっかり停滞。その後に得点は入ったが、後半は消えていたマルシャル、存在感が終始薄かったリンガードなど、先に変えるべき選手は他にいたはずである。結局フル出場になったフェライニも、ボランチなのかトップ下なのかはっきりせず、パスサッカーなのかクロスを活かしたサッカーなのか、曖昧なチーム方針の象徴のような存在だった。

まあ慢性的に守備の不安を抱えるドルトムントとしては必ず勝てるとは言えないけれども、このマンUであれば間違いなくドルトムントが点を取れるのは事実で、その辺に香川が勝てると言い切る根拠があるのだろう。とにかく決勝トーナメントの抽選会が楽しみだ。

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