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チャンピオンシップの是非を問うよりも、はるかに大切な事とは

コアなサッカーファンには極めて不評で、しかも事前のマスコミからのアナウンスはほとんど無く、おそらく出場チームの条件やホーム・アンド・アウェーのルールなどが一般ファンには全く理解できていないであろう中で行われたJリーグ・チャンピオンシップ。

しかし蓋を開けてみれば、広島地方で試合後半に35.1%という視聴率を叩き出し、関東でも10.4%と日本シリーズの視聴率に負けない数字を出し、Jリーグ全体でも平均観客数が約3000人増えたことで、一気に賛成意見が盛り返す流れになっていますね。

Jリーグ的にはスポンサー料や放映権料が頭打ちなのに、Jリーグに加盟するクラブ数は増える一方でどんどん分配金が減っていく中、タイトルスポンサーを獲得し、現状はほぼスカパーしか無いテレビ放送で地上波放送が見込めるチャンピオンシップの導入は短期的には不可避だったわけで、今はその是非を問う事自体はナンセンスだと思っています。

まあ、チャンピオンシップの開催は純粋にJリーグの資金繰りが危ないからだと大声で言ってしまうと、ただでさえサッカーアンチが多い大手マスコミから袋叩きに遭いかねないので、村井チェアマンとしてもあまりお金の話を全面的に出すわけには行かず、それでサッカーファンの理解が得られにくかったという側面はあるでしょうがね(笑)。

個人的には、もちろんチャンピオンシップはやらないで済むに越したことはないと思っていますが、もっと悪いと思っているのは茹で蛙になっている現状から目を背けて、見ないふりをして何も手を打たない事や、人がやること成すこと何でも反対してしまう事でしょう。そういうパターン、日本社会はもちろん家庭の中でも良く見られる話です。

なので、いわゆる「やってみなはれ」の精神で、やれる事を何でもどんどんやってみるのは悪いことじゃないと思ってます。ただし、決してやりっ放しはせず、やった事に対する検証、改善は必ず徹底しなければなりません。いわゆるPDCAサイクルという奴ですね。

トルシエ嫌いのあまり成果もまるごと葬り去り、川淵氏の思いつきでジーコを起用、それが失敗すると「オシムって言っちゃったね」で無かった事に済ませ、オシム路線の継承という名目で岡田さんを起用して本大会でちゃぶ台返し、ユースの育成もパスだ個人だと二転三転、代表監督選びを筆頭として今までの日本サッカーはPDはあってもCAが全くありませんでした。

過ぎてしまったことをクドクド言うのは潔くないとされ、何につけても「無かった事」、ご破算にしたがる日本人の国民性もあるとは思いますが、いい加減そこから脱却しないとJリーグに限らず日本サッカーはいつまで経っても世界に追いつくことは出来ません。

チャンピオンシップに関しても、成功したか失敗したかの二元論ではなく、何がプラスで何がマイナスで、マイナスの部分を今後どうカバーしていくのか、そういう検証と改善についてJリーグ側が何を発信するのか、そこに注目して行くべきではないでしょうか。

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