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「監督には愛されても、チームのサッカーにはなかなか愛されない原口」ドイツ・ブンデスリーガ第13節 ヘルタ・ベルリン-ホッフェンハイム

バイエルンとドルトムントを除いた3位以下は団子状態とはいえ、現在4位とCL圏内に入る健闘を続けているヘルタ・ベルリン。ただしこの試合も勝利したとはいえ、とても17位のチーム相手とは思えない、見ていてフラストレーションが溜まる内容であった。

ヘルタのフォーメーションは4-2-3-1で、ホッフェンハイムが4-4-2とほぼマッチアップの形。ただしホッフェンハイムはギズドル監督時代のハイプレスサッカーは影を潜め、3ラインを自陣にきっちり引いてヘルタの攻撃に罠をかける、いかにもステフェンス監督らしい戦い方を仕掛けて来た。

しかもヘルタの攻撃は相変わらずパスが3本と繋がらない攻撃で、序盤はヘルタがボールを持つものの、ホッフェンハイム陣内にボールが入るとあっという間にプレスで狩られてしまい、何度も危ないカウンターになりかける。と思ったら強い雪が降り始め、これがヘルタに対して思わぬ助け舟になった。

ピッチに積もる雪のためにボールが走らなくなってパスを回すよりもドリブルやハイボールが効果的になり、それまでパスを繋ぐだけで汲々としていたヘルタがホッフェンハイム陣内で前を向けるようになる。

すると30分に原口がキム・ジンスとの競り合いに勝ったところを倒されFK、プラッテンハルトが蹴ったボールはホッフェンハイムのポランスキの頭でコースが変わり、GKバウマンが必死でボールを掻き出すもゴールラインテクノロジーで得点と判定される。

後半になると雪がやみ、ピッチがクリアになるとまた試合はホッフェンハイムのペース。しかも今度はヘルタがほとんど自陣で守り倒すようなサッカーになり、DFラインが中に絞って守備を固めるために原口がほとんどSBのような状態に。

しかしホッフェンハイムも圧倒的に攻めながら後半35分と40分に決定的なチャンスを作るものの得点できず、塩で固めたヘルタの守備は最後まで崩せず試合はそのまま1-0でヘルタが勝利して4位の座をキープ、逆にホッフェンハイムは最下位に転落してしまった。

昨日は、残留争いのライバルである最下位アウグスブルクに大敗した、シュツットガルトのツォーニガー監督が解任されたニュースが飛び込んできたが、ホッフェンハイムの前任であるギズドル監督も含め、今期のブンデスリーガは攻撃的な戦術を採る監督が次々と挫折している。パスがほとんど繋がらないサッカーなのに4位になっているヘルタを見ても、野心を持った若い監督による戦術実験の地となっていたブンデスリーガは、今は少し曲がり角に来ているのかもしれない。

原口は試合終了間際に、3人ぐらいに囲まれながらも鬼キープを見せたがそれも最後は時間稼ぎを優先してバックパスで終わってしまうなど、チーム内でも高い1対1での勝率がチームの攻撃力に繋がっていないもどかしさを感じる。かと言ってスペースに走っても全くボールが出て来ないので、その1対1の回数そのものが少ない。

監督に評価されて、代表明けでもフル出場なのは嬉しいところで、原口自体の能力は着実にアップしているが、いい加減気持ちよく攻撃をする原口の姿を見たいと思ってしまうのだが・・・

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