旧閑ガゼッタ

「まさしく個の力と組織の力の対決になってしまった」Jユースカップ決勝 名古屋グランパスU18-浦和レッズユース

Jリーグユースチーム国内最高峰を決める大会ではあるが、プレミアリーグWESTではあるがプリンスリーグ降格圏の最下位に沈んでいる名古屋と、プリンスリーグ関東の7位に留まっている浦和という伏兵同士の対決になった決勝戦。

フォーメーションはどちらのチームも4-4-2になっているのを見ても、戦術としてはゾーン・ディフェンスを採用しているわけだが、戦術の完成度としては明らかに名古屋のほうが上だった。浦和の方は、一応4-4-2の形で守備をセットするんだけど、ボールサイドに人が集まり過ぎてスペースに穴を開ける事が多く、サイドでのマークの受け渡しが曖昧なのが目立っていた。

開始わずか3分で決まった名古屋の先制点も、左サイドで縦パスを繋ぎながらオーバーラップしたSBの動きにマークが遅れ、折り返しを名古屋のFW北野がワントラップから決めたもので、その後も名古屋は何度か浦和の守備を崩して決定的なチャンスを作った。ここで追加点を決められなかったのがまず第1のポイント。

そして27分に、名古屋DF池庭がアフター気味にヘディングで競ったプレイで2枚目のイエローを出されて退場になったのが大きかった。判定としては確かにイエローでもおかしくは無かったが、故意性は低かったのでイエローの前に警告が妥当だったように思う。これで名古屋としてはゲームプランが大幅に狂ってしまった。

退場前から浦和の守備がやや落ち着きを取り戻していたが、これでさらに勢いが出て、フリーで持てる橋岡と小木曽のDFラインからサイドへとボールを繋ぎ、新井と影森らのドリブラーがサイドからドリブルで中へと切り崩す攻撃が威力を発揮、その新井のループシュートがクロスバーに当たったところを渡辺が押し込んで同点にすると、前半終了間際にCKからのヘッドが相手のオウンゴールを誘って浦和が逆転する。

後半も浦和が攻めて名古屋がカウンターという展開が続くが、名古屋が選手交代で4-4-1から4-3-2のフォーメーションに変えたのをきっかけに名古屋がボールを支配するようになり、終盤には惜しいチャンスを互いに作る事もあったが7分という長いアディショナルタイムにもスコアは動かず、試合はそのまま2-1で浦和ユースが優勝を決めた。

戦術的にはどちらもゾーン・ディフェンスを使っている事で心強くはあったが、やはり個人レベルの守備という点ではまだまだ心もとない感じで、ユース年代の戦術・守備強化はまだまだ道半ばだなと思わざるを得なかった。その中で、まだ高校1年生の浦和CB橋岡君は、相手への寄せも早いし1対1で粘り強いし、良い意味でJユースの選手としては異質なものを見せてくれた。今後U-17のユース代表でも注目したい選手である。