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「ケルンの攻撃基点は、大迫のいるポジションで決まる」ドイツ・ブンデスリーガ第12節 レヴァークーゼン-ケルン

今回のアジア予選には呼ばれなかったが、ケルンでコンスタントに出場が続いている大迫の試合。

今節はマインツがヴォルフスブルクを破ったが、このケルンの試合も相手のレヴァークーゼンがチャンピオンズリーグ明け、そして退場者と出して敗戦と、奇しくも全く同じような流れで試合が決まってしまった。

ケルンのフォーメーションは4-4-2で、2トップはモデストとホジナー、中盤に怪我人が続出しているため大迫のポジションは前節に続いて右のSHで起用。レヴァークーゼンはマンU時代は香川の同僚だったハビエル・エルナンデスが1トップを務める4-2-3-1。

戦術的なケルンの狙いははっきりしていて、とにかく4-4のゾーンで低めの位置でコンパクトに守り、ボールを奪ったら徹底的にモデストにロングボールを合わせるというビッグサムもビックリなパワープレイサッカー。ただ、ケルンの場合は守備がちゃんとゾーン・ディフェンスとしての統制が取れているので、レヴァークーゼンにボコられたままという気はしない。その代わり、大迫はほとんど戦術的な守備のコマとしての存在であって全くボールに触れる事が出来ない。

すると前半17分に、FKのボールがレヴァークーゼンの選手に当たり、流れ球がマローの前に飛んで来て押し込むだけのラッキーなゴールでケルンが先制してしまう。が、レヴァークーゼンもカンプルのヌルヌルドリブルからのシュートで反撃の狼煙を上げると、33分にまたもカンプルの中央突破から展開されたクロスを、ハビエル・エルナンデスがDFの視界外のファーから中へ飛び込む彼らしい巧みな動きで同点に追いつく。

その後もレヴァークーゼンのペースは続くが、ケルンはGKホルンのナイスセーブや選手の1対1の頑張りで何とか耐え忍ぶ。そして後半8分に、スルーパスに抜け出したモデストをレヴァークーゼンDFパパドプーロスが後ろから腕をかけて倒してしまい1発レッド。これはヴォルフスブルクと違って全く議論の余地が無い決定機阻止のファールだった。

これでレヴァークーゼンの勢いがピタリと止まってしまい、その後はケルンのペースに。その流れのまま、後半27分にCKからフリーになったマローが2点目となるヘディングゴールを決めてケルンが再びリード。

前半はただ走るだけだった大迫もようやく攻撃に顔を出せるようになり、この試合では体にキレもあったようで、後ろ向きにボールを受けてもバックパスするのではなくてトラップや切り返しで前を向く場面が多く、チームに勢いをもたらす存在になっていた。やはり、ケルンでは大迫がどこのポジションに居てもボールを受けて捌く基点になってしまうんだなと(笑)。シュートも前半がゼロに対して、後半は相手が退場後に3本打っており、いかに前半は自己犠牲をしていたかがよく分かる。

逆転を許したレヴァークーゼンだが、その後もあまり攻撃のペースは上らず、そこから互いに3本ずつ単発のシュートを打っただけで試合終了。失点してからの反撃の無さもヴォルフスブルクと同じであった。

これでケルンはヨーロッパリーグ圏内まで勝ち点1の7位に浮上。ケルンはマインツと比べても守備組織がしっかりしているので大崩れは無さそうで、戦術モデストもある程度通用しちゃっているので大迫の受難はまだまだ続きそうである。金崎の活躍で代表争いも激化しているので、やはりFWは諦めてボランチに転向するべきなのかも(笑)。

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