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「やはりベンゲルは風間監督の上位互換?」UEFAチャンピオンズリーグ グループF バイエルン・ミュンヘン-アーセナル

前回の対決では、バイエルンに対してアーセナルがカウンター戦術を見事に決めて2-0で勝利したのだが、バイエルンホームで迎えたグループリーグ第4節は、今度はアーセナルが1-5と手ひどいリベンジを食らう結果になってしまった。

アーセナルは前回成功した4-2-3-1で低い位置にゾーンを作ってカウンターという作戦を今回も踏襲して来たのだが、まず大きな誤算になったのは先日のキャピタル・ワン・カップでウォルコットが負傷し、1トップにジルーを使わざるを得なかった事。これにより、バイエルンの守備陣はスピードで裏を取られる危険性が無くなり、安心して高いラインを引いて確実にボールを支配することが出来るようになった。

そしてもう1つのポイントはグアルディオラの戦術。フォーメーションの表記こそ前回と同じ4-3-3ではあるが、マイボール時には2-3-5のようにSBのアラバとラームが極めて高い位置に上がって来て、しかもそこからインサイドハーフのようにガンガン攻撃参加するという超攻撃的なサッカー。これにアーセナルの4-4ゾーンは全く対応できずマークが混乱、ただ棒立ちのままズルズルと下がるだけで、8人が自陣PAの中にすっぽり入ってしまう有様であった。

当然、日本代表とは違ってバイエルンはサイドからベタ引きアーセナルを難なく攻略、前半10分にあっさり裏を取ったレヴァンドフスキにチアゴ・アルカンタラがクロスを難なく合わせて先制すると、29分にはクロスのこぼれ球をミュラーに決められ、43分にはディフェンスの人数が十分いたのに楽々とアラバにミドルをぶち込まれと、これならまだシンガポールのほうがよほどマシに見えるアーセナルのお粗末な守備であった。

さすがに後半はベンゲルも修正して来るかなと思ったのだが、驚くべき事に選手交代も無く戦術もそのままで戦況は一向に変化しない。後半10分には左サイドをアラバが高速道路を走るようにやすやすとドリブルで突破すると、交代で入ったばかりのロッベンにクロスから決められ4点目。アーセナルは後半24分にジルーの胸トラップからのボレーで1点を返すものの反撃はそこまで。試合終了間際にカウンターからバイエルンが5点目を決めて試合終了。

アーセナルはウォルコット以外にも怪我人が続出していたのは事実だが、それにしても守備が酷すぎた。ベンゲルは守備練習をしないという噂があったりするが、前回守り切った時も戦術と言うよりはゾーンを作った中で個人レベルで対応していた感じだったので、おそらくその噂は本当なのだろうとね。しかし実はベンゲルが風間監督の上位互換だったとは(笑)。

裏の試合でオリンピアコスがディナモ・ザグレブに勝ったため、グループFはバイエルンとオリンピアコスが勝ち点9で並び、アーセナルはディナモ・ザグレブと同じ勝ち点3。しかも直接対決でディナモ・ザグレブに負けているので最下位に落ちてしまった。これでアーセナルが勝ち抜くためには、オリンピアコスとディナモ・ザグレブに2点差以上で勝利し、なおかつオリンピアコスが連敗するという極めて厳しい条件になってしまった。果たして奇跡のアーセナル逆転突破はなるのだろうか?

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