旧閑ガゼッタ

「クロップには、モウリーニョの苦悩は他人事では無かったに違いない」イングランド・プレミアリーグ第11節 チェルシー-リバプール

ナビスコカップはガンバがあまりに低調な出来だったようでイマイチ見る気が起こらず、ドルトムントの試合はまたもや嫌がらせでフジテレビTwoの生中継、マインツの試合も録画のみだったので、昨晩はプレミアリーグで今節最も話題になっているチェルシー対リバプールの試合を見ることにした。

チェルシーはここまで10試合で勝点11の15位というあり得ない低迷中でモウリーニョは解任危機、そしてリバプールは前の試合でクロップが就任してから初勝利という事で、その勢いがどういう形で試合内容に出るかと思って注目していたのだが、序盤は非常にハイテンションな試合になった。

チェルシーもリバプールも4-2-3-1のマッチアップではあるが、どちらもゾーンを作って堅く守るのではなく、チェルシーもクロップのお株を奪うゲーゲンプレッシングで対抗、前半の4分に左サイドの密集からアスピリクエタが抜け出し、クロスが相手に当たってコースが変わったところにラミレスが飛び込んでチェルシーが幸先良く先制する。

今回のリバプールは1トップにフィルミーニョを置いたのだが、チェルシーのハイプレスの前にビルドアップが出来ず、フィルミーニョまでなかなかボールが届かず、前線に基点が作れないのでサイド攻撃も機能できなかったのだが、先制点を奪って安心してしまったのか前半の終わりごろからチェルシーのラインがズルズルと下がり出し、リバプールが徐々にサイドを使ってボールを支配するようになる。

そして前半のロスタイムに、右サイドの高い位置からつないでパスを受けたコウチーニョが、マークに入ったラミレスを切り返しで交わしてファーサイドに決める見事なゴールで同点に追いつき、試合は後半へ。

後半も前半と同様に激しい流れになったが、試合の行方を決めたのはまたしてもコウチーニョで、後半29分に大きなサイドチェンジをベンテケが頭で落とし、中に飛び込んできたコウチーニョがシュート、そのボールがテリーの体をかすめてまたもファーサイドギリギリに決まってリバプールが逆転する。

これでチェルシーはすっかり混乱してしまい、その5分後にはリバプールのサイド攻撃にチェルシーの選手が4人集まって中央ががら空きになってしまい、そのスペースにやすやすとベンテケが入り込んでダメ押しの3点目。まさにチェルシーが勝手に自分から壊れていった90分間だった。

チェルシーはそれぞれ攻撃と守備の要であるジエゴ・コスタとテリーが明らかに不調、特にテリーは衰えなのか何か原因は分からないが、2失点目も3失点目も緩慢な対応で相手のシュートを止められないなど相当な重症。そしてその影響でラインが上げられず、アザールもサイドの低い位置でボールを受けるのでは宇佐美と同じで使い物にならずと、どこから手を付けて良いかモウリーニョにも分からない状態だろう。

中心選手が軒並み不調で今まで上手く行っていた戦術が機能不全に陥り、その状態で選手を入れ替えてもさらに泥沼というのは、まさしく昨シーズンにドルトムントで起こった現象と全く同じであり、クロップにしてみたらモウリーニョの苦悩は他人事とは思えないだろう。

試合後のスタンフォード・ブリッジには、1-3で負けたとは思えないほどの温かい拍手に包まれていたが、それだけ今の不調がモウリーニョだけのせいで無いことを観客も良く分かっているのだろう。しかしそれも昨シーズンのジグナル・イドゥナ・パルクで起こった光景と同じである。

ドルトムントは後半戦に何とか持ち直してヨーロッパ・リーグの出場権を獲得、その後クロップは自ら退任してしまったわけだが、今シーズンのモウリーニョに待ち受けている運命は果たしてどうなるのだろうか?