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「今のインテルを真に動かすには長友の”守破離”が必要」イタリア・セリエA第9節 パレルモ-インテル

長友がやっとこさ先発で出場したと聞いて、昨晩は久しぶりにインテルの試合を見てみたのだが、いつの間にか長友以外のスタメンも大きく変わってしまっていて、玉手箱を開けたような気分になってしまった(笑)。

インテルは第6節でフィオレンティーナに大敗したものの、先週のユベントスとのイタリアダービーをスコアレスドローで終えたのを筆頭に、それ以外ではリーグ戦7試合で失点2と随分お堅いチームになってしまっている。

ミランダとムリージョのCBコンビは安定感があり、不安定なインテルの象徴だったラノッキアは時間稼ぎに出されるぐらいに序列が落ちており、コンドグビアとメデルのボランチコンビは強靭なフィジカルで中盤を引き締め、DFラインのカバーも怠りない。こういうセンターラインで4-4のゾーンを組めば、そりゃ失点が少ないのも納得である。

ただその反面、攻撃には課題が沢山残っている。ボランチは守備では強力だが創造性はあまり感じられず、ヨヴェティッチ、イカルディはパレルモの3バックに厳しくマークされて縦パスが入らず、攻撃の緒は左右のSHであるグアリンとペリシッチの突破頼み。左SBのアレックス・テレスも時々は攻撃に絡んで来るが、あくまでアクセントの範囲内で相手の脅威には成り得ていない。悪い意味で、4-4-2の均衡が取れてしまって相手にとって守りやすいチームになっている。

だからこそ、さらなる攻撃面での貢献を期待されて長友が先発に復帰したわけだが、まず目についたのはそのポジショニング。長友といえば、代表でも最初から無闇に高いポジションを取ってしまい、攻撃には絡むものの守備では相手に狙われる存在になってしまいがちなのだが、この試合ではしっかりSBらしくラインと連携したポジションを取っていて、まず守備からというマンチーニ監督のオーダーをきっちりと守っていた。インテルで出来るなら代表でもそれをやってよ(笑)。

前半は、相手の攻撃のキーマンとなっていたバスケスのケアに回る事が多かったが、後半の15分過ぎに互いに1点ずつを入れ合ってからはサイドにスペースが出来るようになり、長友のオーバーラップの回数が増え、1度は惜しいクロスの場面があったがGKに防がれ得点には繋がらず。インテルは後半39分にバスケスを倒したムリージョが2枚目のイエローで退場、その後もインテルは果敢に攻めたが最後までスコアは動かず1-1で終了した。

インテルは後半10分からグアリンの位置にビアビアニーを投入したが、彼のスピードと長友のオーバーラップによる右サイドの攻撃は迫力があり、終盤に投入されたリャイッチのボールに多く絡もうと言う姿勢とともに、手詰まり感があったインテルの攻撃に確かなインパクトを与えていたのではないかと思う。マンチーニ監督は、これまでの先発メンバーに代えて彼らにもっとチャンスを与えるべきではないだろうか。

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