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「ホッフェンハイムに見る、効果的な香川とドルトムントの抑え方」ドイツ・ブンデスリーガ第6節 ホッフェンハイム-ボルシア・ドルトムント

ドルトムントはここまで公式戦12連勝中と無敵街道をひた走っているが、ずっと試合を追い続けているとだんだんとその弱点が見え始めている。

まず、ファンタスティック・フォーを中心とするレギュラーとサブの実力差が大きい事が挙げられる。そして2つ目は高く上がった両SBの裏のスペースを使われやすい事。3つ目はセットプレイが得点にならず、逆に相手のセットプレイが失点に繋がっている。そこをホッフェンハイムは研究して対策を施してきた。

この試合からロイスが左ウイングで復帰してムヒタリアンがベンチ、右ウイングにはホフマン、ギュンドアンの代わりにカストロというローテーションをして来たのだが、やはり予想通りチームのベストからは程遠い出来になった。

カストロはギュンドアンに比べてボールを受けるポジショニングや動きがまずく、それに影響されてホフマンも試合から消えてしまい、ホッフェンハイムにしてみれば香川がいる左サイドを重点的に守れば良くなり、香川はアタッキングサードに入るとあからさまにマークを付けられ、それを嫌って後ろに下がってもカストロが高い位置で受けられないので、結局パスコースが少ないところで無理なパスを通そうとしてミスからピンチという繰り返し。

守備では、ドルトムント相手にゾーンでバランスを取るような守り方はパスを間に通して崩されるので、相手がアタッキングサードに入ればマンマーク重視に切り替えると同時に、セットプレイがあまり怖くないので積極的にファール覚悟で止めるという方法が徹底されていた。そのためドルトムントはFKの機会は得るものの、パスで繋ぐいつものリズムが分断されて流れは一向に良くならない。

香川からギンターへのサイドチェンジという武器も研究され、ギンターのサイドは相手のSBがスペースを消してパスを受けさせないようにし、逆にボールを奪ったら高く上がってる上に守備力に難があるSBの裏へと素早くパスを通し、そこから中へと素早いフォローの動きでコレクティブなカウンターを仕掛けて来た。幸い相手の決定力に助けられたが、前半のうちに2~3点入るだけのチャンスは作られていた。

後半になってムヒタリアンを入れ、さらにギュンドアンが入った事でドルトムントのサッカーは一変した。ギュンドアンはボールを貰うために小刻みに動くし、常に前線への縦パスを狙っているのでホッフェンハイムは守備に人数をかけざるを得ない。すると香川がフリーになるのでボールタッチが増え、バイタルでボールを受ける回数も増える。

そして後半10分にドルトムントはオーバメヤンのゴールで追いつき、このまま逆転かと思われたのだが、やはり過密日程の影響は大きく各選手の動きが重くてオートマティズムがずれてパスミスになる事が多く、さらには香川、カストロと決定的チャンスを外し続け、止めはラモスがゴール前で謎のスルーを見せるなど(笑)最後まで決め手を欠いて結局1-1のまま試合終了。連勝はここでストップしてしまった。

サブの中では、ホフマンはそこそこ使えるようにはなったものの、後半途中からウイング起用されてそこそこ良かったとはいえカストロは中盤では全くダメで、ラモスは相変わらずフィットせず、ドルトムントはなかなか戦力の底上げが進んでいない。バイエルンの圧倒的な戦力を考えると、リーグ優勝は現状では難しいのではないだろうか。

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