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「実質的に大迫は左SH、原口は右SBという謎すぎるコンバート合戦」ドイツ・ブンデスリーガ第6節 ヘルタ・ベルリン-1FCケルン

原口と大迫がともに先発という日本のファンにとっては楽しみな試合だったはずなのだが、攻撃面という点で両チームともにあまり見るべきものがなく、見ていて非常に退屈な試合だった。

一応ヘルタが2点を取って勝利はしたのだが、得点場面は前半の終わりにDFの人数が揃っていた中へのクロスをイビシェビッチが上手く頭でコースに流したゴールと、後半のカウンターによる得点で、シュートは打っていても互いに相手を完全に崩したチャンスは無くて単発のみ。単に決定力の差で勝負がついただけである。

その主な原因は、それが意図的なのかどうかは分からないのだが、ケルンがリードされてもほとんど攻撃の意欲を見せなかった事。後半途中までは一応モデストが1トップで大迫がトップ下という形だったのだが、リーセとツォラーの右サイドは全く前に出て来ず、左からたまにビッテンコートが顔を出すぐらいで、モデストは相変わらず守備をしてくれないし、大迫がボールを受けようにもスペースは無いしフォローも無いしボランチからパスは来ないしで基点としての存在感が希薄であった。

おまけに後半22分にホジナーが入った後は、大迫が左SHに回されたのだが、相変わらず前線にパスを呼びこむ動きが無いので、大迫にボールが集まっても左サイドの狭い中でヘクターと縦にパス交換をするだけでそこから前や中に運べず、結局は手詰まりに。ただ、そのケルンの攻撃を封じ込めたのは原口の貢献も大きかった。

この試合では右SHとして先発した原口は、前半のうちはサイド突破からカルーにアシスト性のクロスを出した場面はあったものの、どちらかと言うと守備に回る時間が長く、後半になってからはヴァイザーが中に絞って原口がSBの位置まで下がる場面も目立ち、後半は大迫にボールを集めていたケルンの攻撃を完璧に封じ込めてしまった。そこまで下がっても原口のポジショニングや1対1の対応に乱れはなく、もはや今の代表の中で原口が最もゾーン・ディフェンスを体得している選手と言えるかもしれない。

それにしてもケルンは重症である。シーズン最初こそ活発なサイド攻撃で勝点を稼いだが、この試合のヘルタのように相手がサイドを埋めて対策を施してくるととたんに攻撃が機能しなくなってしまった。こういう時にこそ、大迫をトップに上げて動けないモデストの代わりに運動量のあるFWを入れ、中盤にパスセンスがある長澤を入れるべきだと思うのだが・・・長澤は今シーズンになってからベンチ外が続いてほとんど動きを聞かないので本当に心配である。

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