旧閑ガゼッタ

「単にバランスを取るような守備では、ドルトムントと香川は止められない」ドイツ・ブンデスリーガ第5節 ボルシア・ドルトムント-レバークーゼン

今期のリーグ戦ではまだ2勝と出遅れているものの、チャンピオンズリーグではプレーオフでラツィオを破り、グループリーグの初戦を勝利している強豪レバークーゼンを迎えての試合は、予想通り互いにハイプレスを掛けあう激しい展開の試合となった。

注目はもちろんレバークーゼンが絶好調のドルトムントの攻撃陣をどうやって止めるかという点だったが、レバークーゼンが取って来たフォーメーションは4-4-2で、マンUからレンタルで来た香川の元同僚ハビエル・エルナンデスとキースリングの2トップが、ドルトムントのCBを見つつアンカーのヴァイグルにもプレスをかけられるポジションを取り、ビルドアップを阻害する作戦に出て来た。

通常、4-4-2の守備に対する4-3-3の対策は、アンカーがCBの間に入って3バックになり、2トップのプレスを避けてインサイドハーフとSBにボールを当てる形が多いのだが、レバークーゼンはそれを見越して香川にカンプルをマークに当てるなど、中盤の4人がドルトムントのSBとインサイドハーフを見て網を張り、ボールの出し手をフリーにしても受けて側で奪い取ろうと言う魂胆である。

しかしレバークーゼンに取って誤算だったのは、ヴァイグルが思ったほどDFにラインに吸収されず、香川がトップ下に近い位置まで上がってカンプルを引き連れて出来たスペースを、ウイングのムヒタリアンが下がってボールを受け、それをヴァイグルや香川に繋げて彼らが素早くパスを展開する手段に出て来てしまった事で、前線と中盤の6人でバランスを取ってドルトムントの攻撃に網をかけるプランが崩壊してしまった。

スコアこそ1-0だったもののチャンスの数的にはドルトムントがレバークーゼンを圧倒した前半だったが、後半はレバークーゼンが対策を施す。キースリングに代えてメーメディを入れて4-4-1-1にし、ドルトムントに対してマンマーク気味の守備にスイッチして来た。

これで影響が出たのが前半もあまり機能していなかったドルトムントの右サイドで、特にギュンドアンはボールを持ちすぎる事が多くてボールロストやパスミスを連発、さらには自陣でヒールパスをやらかすなど軽率なプレイでドルトムントのリズムが崩れ、レバークーゼンに流れが傾きかける。

そこを救ったのが香川の一撃で、13分に右サイドの展開からギュンドアン、ムヒタリアンと繋ぎ、最後は香川がパパドプーロスのマークが来る前に右足のアウトで打ったシュートが当たりそこねだったが上手くコースに決まって2点目、これで再びドルトムントがペースを握り返し、29分にはギンターが倒されたPKをオーバメヤンが決めて3点目。これで試合は勝負あり。

トータルな能力ではもちろんドルトムントが上回った快勝だったが、同じく5連勝を記録しているバイエルンとの優勝争いという面では、この試合の後半のような厳しいマンマークの守備を受けた場合に、もともと両SBが上がる攻撃的なサッカーをしているドルトムントが耐えられるかという不安は残る。

現在のドルトムントの素早いパスサッカーを体現している香川とヴァイグルが好調を維持するのと同時に、ロイスが復帰して右サイドの攻撃も機能させられるようにならないと、より個人能力で勝るバイエルンに対抗するのはなかなか難しいのではないかと思う。

その10/3の直接対決まで週2試合ペースであと4試合。ELのPAOK戦からバイエルン戦までは何と中2日というスケジュールである。ドルトムントはそこまで上手くターンオーバーで凌げるかどうかだろう。