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「結果を出せない本田が、ミハイロビッチ監督に重用される理由」イタリア・セリエA第4節 ACミラン-パレルモ

ミラノ・ダービーでインテルに負けてしまったことで、10番を背負う者としてスケープ・ゴートにされてしまった本田。この試合では先発から外れる予想が多かったにも関わらず、ミハイロビッチ監督は本田を先発で起用して来た。

結果的に3-2では勝利したものの本田は得点に絡めず、またもファンの期待を裏切る形になってしまったが、試合を見ると何故ミハイロビッチ監督が結果を出せない本田を先発で起用するのかが良く理解できる。

ミランもパレルモもフォーメーション的には、イタリアで流行りの4-3-1-2。以前の試合で、アンカーを置くフォーメーションのチームに対してはトップ下の本田はマッチアップを受けるのでマークで潰されがちと書いたのだが、逆に言うと相手のアンカーをトップ下が潰せるという意味でもある。

そしてミランの2トップは、バッカはそれなりに守備をするもののルイス・アドリアーノは相手のビルドアップにもほとんど歩いているだけなのでプレスの役目を果たせず、本田が前線の右サイドを走ってパスコースを切らなければならない。ミランのトップ下に置いては、この2つの守備的ミッションをこなす必要があり、それを出来るのが本田しかいないと言うわけだ。

79分にポーリが投入されてからは、ボナベントゥーラが本田の代わりにトップ下に入ったのだが、ボナベントゥーラは自分がボールをもらってドリブルで打開しようとする意欲が強すぎ、ボールロストの要因にもなっていた。現在の縦に速いサッカーが主流の時代には、トップ下は”トップ下”に居座ってはダメで、動きまわって出来るだけシンプルに早くプレイしなければならない。

本田は左足が完全にマークされているのでトップ下の位置で1対1を打開する事は難しいが、不用意なボールロストに繋がるミスは少なく、トップ下だけでは無くてデコイを兼ねて左右に幅広く走る事で、他の選手がバイタルを利用しやすくしている。

もちろん本田としても結果は欲しいところだろうが、ミランの2トップは基本的にボックス内で仕事をするストライカーで、たまに彼らから本田にパスが来る事はあるが、本田のためにスペースを作ったり囮になったりという働きは期待できない。

とは言え、そういう地味な仕事を真面目にこなしているだけではミランの10番としてはダメなのだが・・・劇的に右足の精度が改善するか、やはりトップ下から下がった位置でプレイするようにならないとこの壁は破れないのではないかと思う。

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