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「選手はローテーションしても、攻撃がローテーションしてくれない」ヨーロッパリーグ グループC ボルシア・ドルトムント-クラスノダール

チャンピオンズリーグに続いて開幕したヨーロッパリーグ。ドルトムントの初戦はホームでロシアリーグのクラスノダールを迎えての対戦だったが、ベストメンバーから何人かの選手を入れ替えたせいで非常に苦労し、先制点を食らいながらも前半と後半のロスタイムに勝ち越してというギリギリの勝利となった。

ドルトムントの先発は2列目の右にヤヌザイが入り、中盤はインサイドハーフがパク・チュホとカストロ、アンカーがギュンドアンという布陣だったが、これが攻撃で非常にギクシャクしてリズムが作れなかった。

相手がこのポジションに香川を想定していたのか、パク・チュホには常時相手の右インサイドハーフがマークに付いていてほとんどボールが受けられず、前半の途中からシュメルツァーが上がってパク・チュホがボランチの位置まで下がり、相手のアンカー横のスペースをムヒタリアンが使うことでようやくリズムが出来始めたのだが、これだとパク・チュホの位置が低すぎて縦にしか展開ができず、いつものドルトムントらしいワイドな攻撃が見られなかった。

そして後半からはシュメルツァーに代えて香川を投入、パク・チュホを左SBに下げると同時に、前半はサイドで蓋状態になって動きが無かったヤヌザイとオーバメヤンの位置を入れ替えてオーバメヤンがサイドへ回った。

香川が中盤でボールを触る事で逆サイドへの展開は見られるようになったが、相変わらずパク・チュホの位置取りが中途半端で香川とパスコースがかぶる事が多く、そのため香川が中に入る機会が増えるのだが、ヤヌザイもサイドに開かず真ん中でボールを待っている事が多いので中央がすっかり渋滞。ワンツーなどで打開しようとするも狭い守備に引っかかるというどこかでよく見たパターン。

ようやく終盤も終盤になってパク・チュホが高い位置までオーバーラップを仕掛けるようになってドルトムントが何度もサイド攻撃から決定機を迎えるもののゴールは決まらず、後半ロスタイムも2分を過ぎたところで右サイドの深い位置からギンターがクロス、これを中にいたラモスは触れなかったものの、ファーサイドに詰めていたパク・チュホが頭で合わせてドルトムントが勝ち越し。ギンターとパク・チュホという両SBがともに1G1Aとなる珍しい結果になってしまった。

両方のSBが上がってクロスとゴールを決めるというのはいかにもドルトムントらしい得点だが、逆に言うとそこまでバランスを崩さないと得点が入らなかった裏返しでも有り、本来であればもっと早く効率よくサイドを崩して得点を重ねるはずだったわけで、手放しで喜べる結果ではない。ヤヌザイにしてもパク・チュホにしてもまだまだチームの約束事、連携を深めていかないとドルトムントにとってリーグとカップ戦の両立は難しいだろう。

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