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「復帰後いきなりハットトリックを決めたマイヤーを支えた、長谷部の”整え方”」ドイツ・ブンデスリーガ第4節 フランクフルト-1FCケルン

ここまで1勝1敗1分けとまずまずの立ち上がりとなったフランクフルトは、現在勝点7と絶好調のケルンと対戦。難しい試合になるかと思われたのだが、この試合から復帰したマイヤーがいきなり大爆発でハットトリックを決めるなど、結局6点を奪う大勝でホームでの初勝利を飾った。

フランクフルトはマイヤーの復帰で先発がどうなるかと思われたのだが、取ったフォーメーションはマイヤーがトップ下気味になってカスタイニョスとセフェロビッチで2トップを組んだ4-3-1-2で、ライナルツがアンカーで長谷部はSBじゃなくて右のインサイドハーフとして無事先発。

で、長谷部はこのフォーメーションでどういう戦術的な動きをするのかを注目して見てみたのだが、そこはさすがにフェー監督(笑)、あまり統一された組織というのは明らかに無い模様で、長谷部は頻繁に上がって来るSBのイグニョフスキのカバーをしつつ、DFラインと中盤を上手くリンクするバランサーとして機能していた。

前半30分に長谷部のロングスルーパスをカスタイニョスが決めたアシスト以外だけでなく、試合開始わずか4分でマイヤーが決めた先制点は長谷部からオーバーラップしたイグニョフスキに繋いでからのクロスを決めたものであり、3点目もボールを奪ってから長谷部の展開が起点になるなど、前半にフランクフルトが奪った4点のうち3点に長谷部が絡む活躍ぶり。

逆にケルンは、先発の2トップにほとんどボールが収まらず、特にモデストはほとんど守備をしないので中盤にただでさえ負担がかかる上に、何故かケルンはボランチの1枚がトップ下に上がって1ボランチのようになっていたので、その両側のスペースをフランクフルトに使われ放題、その上CBが経験値の低い若手コンビだったので、スルーパスに対して全く防御する事が出来なかった。

ケルンは後半4分になってトップ下に大迫を投入、その直後は大迫が中盤の高い位置でボールを収めてさばくという、前半のケルンに欠落していた役割を果たしてペースを取り戻したに見えたが、フランクフルトもすぐさまバイタルを締めてしまうと、逆に今度はボランチが前に出て大迫がサイドに移った形になってしまい、せっかく大迫のおかげで出来た前線の基点がまた作れなくなり、単発のチャンスを作った後に再び失点を重ねてしまった。

たまたまルスが怪我でピッチ外に出ていた時に、DFラインのカバーに入ったライナルツが一番左右に首振りをしていたように(苦笑)、フランクフルトの守備は前向きにプレスがかかっている時は良いが、DFラインも中盤も約束事が無くて個人の判断だけで動いているので、押し込まれるとラインがバラバラになってしまう。長谷部も後半はバタバタするDF陣のカバーで右往左往してしまって攻撃にあまり出られなくなってしまった。

だからケルンは、高い位置で的確に捌ける大迫をトップに近い位置で使うべきだと思ったのだがなあ・・・まあ、大迫自身もまだ動き的にはインテンシティに欠ける様子で本調子という感じでは無かったので、また練習で調子を上げて先発に復帰してもらいたいところである。

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