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「代表でもクラブでも存在感が増す一方の原口」ドイツ・ブンデスリーガ第4節 ヘルタ・ベルリン-シュツットガルト

代表でのカンボジア戦で、MOM級の働きを見せて一躍レギュラー候補にのし上がった原口。予選からトンボ返り後のシュツットガルト戦でも当然のように先発し、先制点を上げるだけでなくアシストレベルのクロスを出すなどクラブでもガッチリ主力の座をキープする活躍を見せた。

開幕から3連敗と全く結果が出せないシュツットガルトは、アウェイというのもあってか当初の過激な2バック戦術から、守備時は4-4-2のゾーンを組むコンベンショナルな戦い方に変化して来たが、攻撃時はやはりSBが高めに上がるサイド攻撃を仕掛けて来て、前半はシュツットガルトの攻撃をヘルタが受け止める形で進む。

原口の良いところは、こういう守備に回った時間帯でもしっかり自陣に戻って我慢が出来る事で、特に日本人選手の場合は攻撃が上手く行かない時ほどあちこち動きまわってボールを受けに行ったりしてしまいがちになるのだが、原口はそういう時でも慌てずゾーンから動かずに1対1で粘り強く守れている。これが、ゾーン・ディフェンスを採用しているチームにとってはとても大切な姿勢なのだ。

そしてひとたび攻撃に移れば労を惜しまずスペースに飛び出す。前半14分に決めた先制点も、スローインの時に相手が受け手に釣られて出来たスペースに原口が入り込み、パスを受けてから切り返して流し込んだもので、スペースを見つける眼と狭い場所でも勝負が出来る原口の良さが輝いたシーンだった。現在の原口に唯一欠けているのは決定力であり、この得点でその克服のきっかけになれば嬉しいのだが。

その後もシュツットガルトの勢いは衰えず、サイドを支配されて前半だけで11本のクロスを浴びるものの、ヘルタは原口やシュトッカーの飛び出しで対向する。そして36分にはシュツットガルトのFKから完全にフリーで抜けだされたシュニッチに決められて同点にされるが、前半のロスタイムにセットプレイからこぼれた浮き球をルステンベルガーがそのまま豪快にボレーを決め、劣勢だったヘルタが2-1でリードして前半を折り返す。

後半になるとやはりシュツットガルトのペースが落ち始め、原口からカルーへのパスでシュートまで行った場面など、単発でいくつかチャンスはあったものの試合は膠着状態に。その後は互いに交代選手を次々に投入するも試合の流れは変わらず、最後はシュツットガルトが押し込みをかけるもののヘルタの守備は最後まで崩れず、試合はそのまま2-1で終了した。

ヘルタはこれで2勝1分けの勝ち点7と、得失点差で7位にはなっているが4位のフランクフルトと同勝ち点で好調を持続。ただここからさらに上を目指すためには、今は相変わらず確実性に欠けるカルーが務めている1トップにもうちょっとまともな選手が欲しい。もしここに武藤が入れば、原口とシュトッカーでさらにスピード溢れる攻撃が出来るのではないかと夢想してしまうのだが・・・

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