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「香川のゴール前全力バックパスでラモスにゴールをプレゼント」ドイツ・ブンデスリーガ第3節 ドルトムント-ヘルタ・ベルリン

昨日は1泊旅行から帰宅後すぐに飲み会があり、一応その後に試合は見たんだけど細かい内容についてはほとんど覚えてないのでレポートは簡単に。

開幕から公式戦で全勝と絶好調のドルトムントを相手にしてヘルタが取った策は、何と原口を1トップに置いて後ろを5バックで固めるという専守防衛布陣。当然、ドルトムントがボールを支配してヘルタは全く攻め手が無かったのだが、15分にロングパスから原口がDFラインに裏に抜けるという、まさにこの形しか無いというチャンスが唯一訪れたのだが、原口はシュートに持ち込む前に追いつかれて好機をフイにしてしまった。ここでヘルタの勝ち目はほぼ失われたと言って良いだろう。

ドルトムントもヨーロッパリーグを挟んであまりメンバーの変更が無く、いつものスピード感があまり感じられない立ち上がりではあったが、調子が良い時は運も転がり込んで来るもので、27分に右サイドでショートコーナーを受けた香川が切れ込んでから左足でクロスを上げると、ファーに飛び込んだフンメルスにピタリと合ってドルトムントがあっけなく先制してしまう。しかしオッド戦で香川がムヒタリアンのゴールをアシストしたクロスもそうだが、香川が中へ切れ込んだタイミングで選手が飛び込む呼吸が完全にドルトムントに共有されているなと確信する。

これで調子に乗った香川は、後半6分に右サイドをオーバーラップして来たギンターに、広い視野から絶妙のサイドチェンジを通し、これをダイレクトで叩いた折り返しにオーバメヤンが難なく合わせて2点目。こういう大きい展開からダイレクトで攻めれば、どんなに引いた相手でも簡単に破れるものであり、決して縦に速くボールを送る事だけが「速い攻撃」じゃないんだと、是非代表メンバーには見てもらいたい攻撃である。

しかし詰めの甘さと守備陣の不安定さも相変わらず継続中で、そこから無人のゴールに向かって香川とロイスが豪快に外してせっかくの試合を決める機会をのがしてしまうと、後半33分にはカルーはポジション的にオフサイドではあったが簡単に間を抜かれて失点すると、1点差になった事でヘルタが勢いづいてドルトムントはバタバタ。そしてようやくロスタイムに3点目を決めて今度こそ終了。

それにしてもラモスが決めた3点目は、どっちに向いてシュートしてるんだと言いたくなる香川の強いバックパスから、あのムヒタリアンまでもが自分で打たずにラモスへ渡すなど、チーム全員がラモスにゴールを決めさせようと協力していて面白かった(笑)。まあヘルタにとっては屈辱だっただろうけど、いかにもドルトムントのチーム内での雰囲気の良さが感じられるシーンであった。

原口は戦術的な犠牲になってしまったかなと。ただ、決定機を逃したのに後半もサイドで起用され続けるなど、監督の信頼は失われていない様子なのが救いである。今回は相手が悪かったけど、次回は是非チャンスはしっかりモノにしてもらいたい。

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