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「香川がイニエスタなら、シャビはヴァイグル、でギュンドアンは?」ドイツ・ブンデスリーガ第2節 インゴルシュタット-ドルトムント

激戦になってしまったヨーロッパリーグのオッド戦から中2日のドルトムント、相手は開幕戦でマインツを破ったインゴルシュタットという事で、相当に厳しい内容になるかと思われた試合だったが、蓋を開けてみれば4-0でドルトムントが快勝という結果に終わってしまった。

その大きなポイントとなったのはインゴルシュタットの戦術。マインツ戦でリードした後に4バックで守備を固めたような戦い方をやって来るとドルトムントにとっては難しくなるかなと思っていたのだが、ホームの試合とあってか序盤から2-3-2-3の2バックで相当攻撃的に出て来た。

ドルトムントはさすがにトゥヘル監督がインゴルシュタットの戦術をしっかり見切っており、香川をいつものトップ下ではなく、ギュンドアンとインサイドハーフに並べてヴァイグルをアンカーにした4-1-2-3にして、ポジション的にはインゴルシュタットと完全にマッチアップさせ、個の能力差でボールを奪い、インゴルシュタットのアンカー脇のスペースに香川やギュンドアンが入り込み、そこにヴァイグルが縦パスをバシバシ通し、その基点からさらにSBの裏のスペースを突く攻撃で圧倒した。

が、前半のドルトムントは中盤が量産するチャンスを前線の3人がことごとくシュートミスをしてしまう。元気そうなのはムヒタリアンぐらいで、オーバメヤンには疲れが見えてボールに触る回数が少なく、ロイスは怪我の影響か動きが悪く、その割にシュートが欲しいのか中に入り込みたがってスペースとチャンスを潰す回数が多い。そうこうするうちに途中から徐々に全体的な運動量が落ちてリズムが悪くなり、結局無得点のまま前半終了。

後半が始まってもあまりリズムが上がらず、これはまずいパターンかなと思われたのだが、そこを救ったのが右SBのギンター。11分にオーバーラップからパスを受けると、上手く相手のSBを切り返しで交わして見事なゴール。これで一気に試合のモメンタムがひっくり返り、そこからは再びドルトムントが圧倒的にボールを支配、16分にロイスがPKを決めてほぼ試合を決定づけると、40分には右サイドからホフマンのパスを中で受けた香川が、ドリブルで切れ込んでからマークに来たDFの股を抜くシュート、ボールは足に当たってボテボテになったが、GKは完全に裏をかかれて反応できず3点目。最後はオーバメヤンのダメ押しで締めくくった。

オッド戦の先発から外れて3失点を喫した事で、今のドルトムントの好調を支えている最も大きな柱は、香川でもムヒタリアンでもなくて実はヴァイグルだとはっきり判明してしまった。香川がイニエスタだとしたらヴァイグルはシャビのようで、ドルトムントの中盤や前線にミスなくバシバシと縦パスを通し、完全に攻撃を操っている存在になっている。しかも守備のポジショニングの読みも良く、これで19歳なのだから恐ろしい限りで、近い将来には間違いなくドイツ代表に入る逸材だ。と言うか、バイエルンやバルサに分捕られないようにしておかないと(笑)。

ギュンドアンだけはちょっとバルサの中盤という感じではなくて、ボールはロストしがちだけれども果敢にドリブルで飛び込んで縦への勢いを付ける効果になっており、あえてバルサで例えるならダニ・アウヴェスだろうか。とにかく三者三様の働きで調和が取れた中盤になっている事は間違いない。

香川については、前の試合を見てトップ下よりもインサイドハーフに専念したほうが良いのではと書いたが、ゴールだけではなくアシスト性のパスを2~3本通すなどチャンスメイカーぶりを発揮、まさにその通りのポジションで期待通りの働きが出来たと言える。守備でもしっかり戻ってプレスをかけていて、中2日で動きが悪い選手が多い中、同じスケジュールだったとは思えない動きだった。このまま一気に覚醒と行って欲しいね。

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