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「シュート0の岡崎を90分使うところがイタリアの流儀」イングランド・プレミアリーグ第2節 レスター・シティ-トットナム・ホットスパー

昨シーズンは5位と、プレミアリーグのビッグ4に続く成績を挙げたスパーズに対し、レスター・シティはどういう戦いをやって来るかと思ったら、ゾーン・ディフェンスと言うよりはガチガチのカテナチオだったのは少し意外というか、やはりラニエリはイタリア人なんだと思ってしまった。

ゾーン・ディフェンスの最大の特徴は、ボールの位置によってラインの高さを細かく調整する部分にあるのだが、レスター・シティは試合の序盤こそ前からプレスをかける時間帯はあったものの、10分頃からは4-4の守備ゾーンはPAの縁に張り付いたままで、岡﨑とヴァーディの2トップはDFに対して全くプレッシャーをかけず、パスコースを限定させる動きに終始。

対してスパーズもロングボールからセカンドボールを拾って畳み掛ける狙いを示すのだが、まるでシンガポールと対戦した日本代表のように、徹底して守りを固めるレスター・シティに対してすぐに攻撃がペースダウンしてしまい、前半は何と72%というポゼッション率ながら無得点に終わってしまう。

後半途中から、ずっと広いスペースの中でパスコースを切りに走っているヴァーディと岡崎に疲れが見え始め、スパーズはハリー・ケインにボールを集め、そこからの強引なドリブル突破にレスター・シティの守備が手を焼くようになり試合のペースはスパーズへ。

しかしその分レスター・シティにもカウンターのチャンスは出て来るのだが、せっかく岡崎がフリーでゴール前に入って来てもマフレズにパスを出す意志が全く無く、結局ボールを持ち過ぎて取られる結果に終わってしまう。

ずっと無失点のまま来ているせいか、やはりイタリア人としてはバランスが崩れるのを恐れてなかなか交代に動かず、最初に動いたのが78分のオルブライトンの交代で、ナポリから獲得したインレルが投入されたのはようやく80分になってから。

しかし、皮肉にもその直後にハリー・ケインの突っ込みからシャドリがボールを拾ってクロス、ファーでフリーになったアリに決められてしまうが、そのわずか1分後にマフレズがドリブルから切れ込んでのゴラッソで追いついてしまう。こういう結果を出しているから、チームもなかなか彼のセルフィッシュなプレイを責められないんだよね・・・そして試合はそこから動かず1-1のドローで終了。

疲れの見える2トップを最後まで変えず、交代枠を最後まで残してそれもロスタイムになってからマフレズに代えてウジョアを時間稼ぎに使うなど攻撃陣は徹底して捨て駒、戦術も交代策もイタリア人監督としては当然のドローで御の字采配ではあったのだが、これで結果が出ているうちはともかく、ジリ貧になって来るとシーズンを持たないんじゃないかと心配になってしまう。

次のボーンマス戦は間違いなくレスター・シティが攻勢に出られる相手なので、チームサポーターと日本人(笑)のストレスを一気に晴らす攻撃的なサッカーをやって欲しいね。

 

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