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「これぞ岡崎!プレミアリーグ初ゴールおめでとう!」イングランド・プレミアリーグ第2節 ウェスト・ハム-レスター・シティ

さすがにブンデスリーガで2年連続2桁得点を決めている岡崎といえど、フィジカルモンスターにハードマークされるプレミアリーグでゴールをするのはなかなか難しいのではないかと思っていたけど、2節目にして初ゴールを決めるとは驚いた。

試合相手は開幕戦でアーセナルをアウェイで破って波に乗っていたウェスト・ハムで、レスターは相手の左サイドを中心にボールを支配されるものの、前半はラインを高い位置に保ってしっかりと踏ん張り、人種差別問題を乗り越えたヴァーディと岡崎が交互にサイドや中盤に顔を出して基点になり、カウンターからチャンスを狙う。

すると前半27分に、左サイドで抜けだしたヴァーディがDFに囲まれながらも岡崎に絶妙のクロスを上げると、これを岡崎はジャンピングボレーで合わせ、シュートはウェスト・ハムGKアドリアンに一度は止められるものの、岡崎は跳ね返ったボールを忠実にトレース、いち早く落下地点に入って頭で押し込み、嬉しいプレミアリーグ初ゴールを挙げる。

そして38分にも、左サイドの高い位置に岡崎が流れて基点を作り、後ろに返したボールをオルブライトンがマーレズにピタリと折り返し、マーレズはきっちりコースにシュートを決めてレスターが敵地で2点をリードする。

しかし後半になるとレスターのDFラインがズルズル下がってしまい、10分にはPA外側でボールを回されて最後はペイェに決められて早くも失点。このままウェスト・ハムに圧倒されて失点を重ねるかと思ったが、前半にカードをもらって激しいタックルを受けていた岡崎を下げて4-2-3-1の形で中盤を補強、最後はセットプレイで上がったGKアドリアンがヴァーディを蹴って一発退場という結末で何とか逃げ切り、レスターは開幕2連勝を飾った。

岡崎はプレミアリーグ初ゴールを決めた事はもちろん素晴らしいが、それ以外のプレイでも正確なトラップで後ろからのパスを足元に収め、そこから素早くドリブルを仕掛けて攻撃の流れを作り出し、守備ではいつも通りに中盤まで下がってプレスに参加と、まさに大車輪の働きを見せてラニエリ監督の先発起用にしっかり答えてみせた。

その中でも特に驚いたのは、決して得意とはいえないドリブルで仕掛けるという姿勢を岡崎が何度も見せていた事である。プレミアリーグにおいては、攻撃時は全員の意識が前に向くので、下手に横パスやパックパスをしてしまうと攻撃の流れを切る上に得てしてミスにつながりがちになってしまう。しかしドリブルをしてボールを奪われる分には、縦に走っている味方がフォローしやすいため、かえってパスの場合よりもカウンターを受けにくい。

プレミアリーグで日本人選手がなかなかフィットできない理由として、フィジカルの差以上にポゼッション志向とは正反対の戦術思考について行けない面が大きいと思っているのだが、それを岡崎は2試合目にして理解してしまっているというのはたとえ偶然であっても驚くしか無い。足元の才能がそれほど無くても、頭次第でプレミアリーグに日本人はフィット出来るという可能性を示したことは本当に勇気づけられる。が、吉田もそうだが彼らに追随出来る選手が早く出て来て欲しいと焦る気持ちもまた募ってしまうのだ。

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