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「アーセナルだって遅攻クロス馬鹿になってしまう事もある」イングランド・プレミアリーグ第1節 アーセナル-ウェストハム

昨晩からドイツ・ブンデスリーガも開幕したけど、夜中の試合だったので昨晩は先週に行われたアーセナル対ウェスト・ハムのプレミアリーグ開幕戦を見てみた。

ここまでプレシーズンマッチで無敗と絶好調で、今年こそプレミアリーグ制覇に向けてスタートダッシュを切るかと思われたアーセナルだが、蓋を開けてみれば昨シーズン12位のウェスト・ハムにホームで0-2と完敗。エミレーツ・スタジアムに詰めかけた大観衆を裏切る結果になってしまった。

試合のスタッツを見れば、アーセナルとウェストハムではポゼッションが62%と38%、シュート数が22対8と圧倒したのだが、結局アーセナルは1点も取れず。

そういう数字を見るとW杯のギリシャ戦や先のシンガポール戦を思い出してしまうわけだが、アーセナルとウェスト・ハムには失礼だけども実際の試合もまさしくその構図がピッタリ来る内容であった。

ウェスト・ハムのフォーメーションは4-3-3だけど、守備時には4-1-4-1の形になる最近のヨーロッパでは流行りのスタイル。監督は今期から就任した元ベジクタシュのビリッチ氏だが、ハリルホジッチを含めて近年のバルカン半島系監督の例に漏れずゾーン・ディフェンスの組織をきっちり作って来て、アーセナルの選手にバイタルエリアへの侵入を許さなかった。

スタッツではクロスの33対6と5倍以上の数をアーセナルは上げているわけだが、逆に言うと真ん中のゾーンをカンヌキのように閉めている相手に対して、それだけしかアーセナルには攻め手が無かったと言えるわけで、まさにW杯ギリシャ戦のような遅攻クロス祭りをさせられてしまった形。

さらにシンガポール戦のようにウェストハムGKアドリアンが当たりまくってスーパーセーブを連発、逆にチェルシーから移籍してアーセナルファンの期待を一身に集めていたGKチェフが、前半の終わりにFKに飛び出して触れずゴールを許すというまさかのやらかしで失点、2点目もシュートの前の予備動作で重心が移動し、反応が遅れて届かずという名手らしくないミスを重ねるという、日本以上に踏んだり蹴ったりな結末になってしまった。

アーセナルは個人の能力的には高いが、タイミングが合わずにイージーなパスミスが多く、守備もゾーンは組んでいるもののマークで動いて選手間にスペースが開いた時にどうシフトするかの約束事が練られているように見えず、組織の完成度としてはまだ低いことを露呈してしまった。まあ、ベンゲル監督の事だからそこは無視して連携を詰める事に終始するんだろうけど、やはりそれではチェルシーやシティを上回っての優勝は厳しいんじゃないかと思ってしまうのだが・・・

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