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「だからラニエリ監督は岡崎を選んだ」イングランド・プレミアリーグ第1節 レスター・シティ-サンダーランド

イングランド・プレミアリーグの開幕戦で、いきなり岡崎が先発になったサンダーランド戦。

ホームのレスター・シティは前半25分までに3点を決めるという素晴らしい立ち上がりを見せ、サンダーランドに後半2点を奪われるものの最終的には4点目も追加して4-2で終了、ラニエリ監督の初陣を完勝で飾った。

ずっとスカパーの放送では3バックと言い続けていたが、レスター・シティのフォーメーションは間違いなく4-4-2。イタリア人のラニエリ監督らしく、コンベンショナルなゾーン・ディフェンスを敷いて来た。

攻撃陣の4人についてはほぼパーフェクト。前線からプレッシャーをかけ続ける機動力を持ったヴァーディと岡崎の2トップは、持ち味は同じだがポジションがかぶること無く交互にスペースへと飛び出し、DFを引き連れて味方のパスコースを作ってみせる。

PKを含む2ゴールを決めた左SHマーレズは鋭いドリブルと切り返しで相手DFを翻弄、ややセルフィッシュなところはあるがチャンスメイカーとして無双し、右SHのオルブライトンは正確なキックでゲームメイクやセットプレイで貢献していた。

ただしそこから後ろはやや物足りない。CHのドリンクウォーターは山口螢のように食付きに行きがちで、もう1人のキングとコンビネーションが取れておらずどちらもバイタルにいない事がしばしば。DFのスカルトゥーラ、ディアゴナーレの動きはおっかなびっくりで鋭さが無く、1失点目の場面ではセンターの2人が同時にアタックに動いてしまい、ど真ん中をやすやすと破られてしまった。

またプレミアリーグで多用されるアーリークロスに対しては、DFラインがある程度斜めになってクロスのコースを消す形が求められるのだが、レスター・シティのDFはいつでも真横一直線のまま下がってしまい、2失点目の場面でも選手の間に飛び込まれてやられてしまった。まだまだ守備組織的には浸透できているとは言えない。

岡崎についてだが、今までプレミアリーグに参戦した日本人は100%攻守の切り替えの速さについて行けず、最初は右往左往していたものだったのだが、岡崎の場合は10年間プレミアリーグでやっているように全く違和感なく入り、しかもチームの誰よりも動き出しのタイミングと量が目立っていたのは流石を通り越して呆れるぐらいだ(笑)。

レスター・シティには、昨年の残留を支えたウジョアやタレントのクラマリッチというスタメン候補がいたが、彼らはヴァーディや岡崎ほどの運動量を持っているわけではなく、後ろの守備に問題を抱えている現在のチームにとっては、前線からプレスをかけ続け、さらにプレスバックまでして中盤の守備を支えた岡崎の献身性は、ラニエリ監督にとっては必然のスタメンだったのだろうなと思う。

だから今のうちに是非とも得点が欲しいところだが、まだ味方が岡崎の飛び出しに対してパスを合わせる機会が少なく、攻撃陣はとにかく自分で決めたがっているのでなかなか厳しい。ヴァーディが下がった終盤は岡崎が1トップの4-2-3-1になったが、そこで訪れた数少ない決定的なチャンスも切り返しに相手が付いて来てしまって足でカットされた。

これがブンデスリーガなら相手が引っかかってくれたのだろうが、フィジカルのバケモノが揃っているプレミアリーグではそう簡単に行かない。ボールをキープ中に後ろから倒されても笛はなかなか吹いてくれず、ハイボールやポストプレイの1対1もまだ精進が必要だ。でもきっと岡崎なら何とかやってくれるだろう。そして川又はこの試合を100回は見るように(笑)。

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